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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「コウロキたちを励まし、今も浦和の一員だと」伝説のFWワシントンが現地観戦でボヤく“マンC圧勝劇”の無情「資金力が…極めて困難だ」
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byKhalid Alhaj/MB Media/Getty Images,Takeo Momozono
posted2023/12/27 11:03
超過密日程の中でクラブW杯4位という成績を残した浦和レッズ。現地で観戦したレジェンドFWワシントンの目にはどう映ったのか
「浦和も戦術的に非常に良く訓練されており、選手の技術と判断力もかなりのレベルにある。フィジカル能力も決して低いわけではないが、世界トップレベルと比べるとまだ少し差があるかな」
――3位決定戦の前日、浦和の宿舎を訪れて選手たちを激励したそうですね?
「クラブ関係者や旧知のコウロキ(興梠慎三)らと会って、『頑張ってくれ』と励ました。久しぶりに再会できて、とても嬉しかった。みんなが私を温かく歓迎してくれて、自分が引き続き浦和の一員なのだと感じた」
3位決定戦もクオリティが劣っていたとは思わない
――アル・アハリとの3位決定戦の感想は?
「守備のミスから、前半の早い時間帯に失点を重ねたのが痛かった。そこから挽回して追いついたのは素晴らしかったが、不運もあって突き放されてしまった。でも、チームとしてのクオリティーで劣っていたとは思わない。端的に言えば、コンディションの差。相手にとって中3日、浦和にとっては中2日の試合だったのが響いた」
――シティとフルミネンセの決勝はどう見ましたか? 試合開始早々、シティが敵陣の深い位置で強烈なプレスをかけ、苦し紛れに前へ蹴らせた。ボールを奪った左SBナタン・アケが強烈なミドルシュートを放ち、左ゴールポストに当たって跳ね返ったところをFWフリアン・アルバレスが胸で押し込んで先制。それでも、フルミネンセは自陣からショートパスをつなぐ自分たちのスタイルを貫き、約20分間、試合を支配した。ところが、カウンターから2点目を奪われると、後半にも失点を重ねました。
「フルミネンセは、ミスから先制を許したのが痛かった。その後、試合の流れをつかんだ時間帯があったが、この時に得点できなかったのも響いた。その後、不運なオウンゴールで失点を許し、事実上、これで試合が決まった。フェルナンド・ジニス監督は自陣から徹底的にショートパスをつないで攻める独自のスタイルを貫こうとしたが、シティには通用しなかった」
日本選手が欧州へ渡る一方、クラブレベルでは…
――試合後、ジニス監督は「欧州ビッグクラブは、絶大な資金力によって世界で最も優れた選手、監督、コーチ、スタッフを集め、練習環境を整備する。このことが、他地域のクラブとの実力差をさらに広げている」と説明していました。