「今年代表に呼ばれなかったことが、すごく大きなモチベーションになっていました。もう一度あそこに戻るには、結果で見せないといけない。そんな中で、海外でやる大会というのはものすごく意味のある大会だし、そこで結果を出すことで少しは見てもらえると思っていた。代表の方々にどう映ったかはわからないですけど」

　大宅は昨年、日本代表に選出され世界選手権にも出場したが、今年度は、登録メンバーには入ったものの、招集されることはなかった。合宿にも呼ばれず落選したことがショックで、腐りかけた時期もあった。それでも前を向けたのは、5月に開催されたアジアクラブ選手権があったからだ。

日本代表への思いを明かした大宅真樹（写真は2022年ネーションズリーグ）©︎FIVB

　アジアクラブ選手権には前年のVリーグ王者が出場するため、2021-22シーズンのVリーグで優勝したサントリーが出場。そこで日本勢として初の優勝を果たし、今回の世界クラブ選手権の出場権を勝ち取った。そのアジアクラブ選手権の後、大宅はこう語っていた。

「このアジアで結果を出して、代表側にも見せつけたいという思いがすごくありました。腐ることもできますが、どっちがいいかと考えた時に、自分なりに、バレーボールに、この大会に、もう一回懸けてみようと思った。代表を外されて、バレー人生で一番の挫折というか、本当に落ちるところまで落ちたので、いつもの自分だったら『もうバレーなんて』とまだずっと思っていたと思う。でもこの大会があったから。マジで、人生救われた大会でした」

心を揺さぶられた“関田の復活劇”

　9月から10月にかけて行われたパリ五輪予選も、大宅にとって大きな刺激になった。大会直後に行われたVリーグの開幕前記者会見で、「（五輪予選を）ずっとテレビで観戦していて、すごく心を揺さぶられた」と語った。

パリ五輪出場権獲得に貢献したセッター関田誠大　©︎Yuki Suenaga

「もう一度代表に戻りたいという気持ちがより強くなりました。全員が輝いていたので。僕は観ている側だったけど、『自分がここにいたらどう貢献できているのかな』とか、エジプト戦後の関田（誠大）さんの表情を見ていて、『自分だったらどんな声をかけられるだろう。少しでも助けてあげたい』と。関田さんのああいう表情は初めて見たので。でも次の試合で立ち直っている姿を見て、それが強さだし、だから代表に居続けられるんだと思った。切符を獲得するまでのストーリーを見て、本当に素敵なチームだなと感じたし、もう一度自分もこのチームで、この選手たちとバレーがしたいという気持ちになりました」

　そうした様々な思いをぶつけた世界クラブ選手権だった。

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