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石川祐希は「めちゃくちゃ負けず嫌い(笑)」…清水邦広が明かす“男子バレー日本代表の素顔”とは?「いい意味で変わらない、子供みたいな一面も」

posted2023/12/14 11:02

 
石川祐希は「めちゃくちゃ負けず嫌い(笑)」…清水邦広が明かす“男子バレー日本代表の素顔”とは?「いい意味で変わらない、子供みたいな一面も」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

パリ五輪出場を決めたスロベニア戦で咆哮する石川祐希。長く日本代表で共闘した清水邦広が明かす「絶対的エース」の素顔とは

text by

清水邦広

清水邦広Kunihiro Shimizu

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Yuki Suenaga

長く男子バレーの低迷期を支え、チーム最年長として東京五輪でベスト8進出を果たしたレジェンド・清水邦広(パナソニックパンサーズ)が明かす、個性あふれる日本代表メンバーの素顔とは。初の自伝『不屈 挫折をバネに飛ぶ男』(KADOKAWA)より、一部を抜粋してお届けします。第1回は龍神NIPPONを躍進に導いたフィリップ・ブラン監督と、絶対的エース・石川祐希について。(全3回の1回目/#2「西田有志・高橋藍編」、#3「藤井直伸編」も読む)

フィリップ・ブラン監督

 日本代表のフィリップ・ブラン監督は、フランス出身で、中垣内祐一前監督のもとではコーチを務め、東京五輪後に監督に就任しました。ブランさんは、選手のことをめちゃくちゃ細かく見ています。僕の場合は右膝が悪かったので、どうやれば大会までにコンディションを上げていけるかという道しるべを作ってくれて、すごくやりやすかったです。

 戦術も非常に細かいです。「こういうシチュエーションの時はここにブロックがついて、ディグはこっちに入る」といった配置をこと細かく指示されて、それが自然とできるようになるまで、徹底的に練習を繰り返します。特にディグの位置やブロックフォローの入り方については細かく決まっていて、できるまでは口酸っぱく言われます。細かいんですけど、それはすごく重要なことで、それをブランさんがコーチに就任した2017年からずっと積み重ねて精度を上げてきたから、今、日本のブロックディフェンスが機能し、つなぎやブロックフォローの部分でも世界の上位なんじゃないかと思います。

 要求は細かいんですけど、選手に対しては褒めることのほうが多くて、ミスに対して詰めるというよりは、どうやったらうまくなるのかを突き詰める、長所を伸ばすタイプだと思います。

 だから今のチームはミスを怖がらない。昔だったら、例えば1本サーブをミスすると、「なんでミスするんだ」と怒られて、僕らの場合はだんだん消極的になって、打てなくなってしまっていたんですけど、今はもう、崩せるならどんどん攻めていこうという方針なので、だいぶ違うなと思います。

【次ページ】 「オレがチームを勝たせるんだ!」石川祐希の気迫と覚悟

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