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城福浩監督の「見向きもされなかった」は謙遜でも自虐でもなく…東京ヴェルディ16年ぶりJ1昇格、大観衆の魂が震えた“涙の国立決戦”のウラ側
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byMasashi Hara
posted2023/12/05 11:04
5万3264人の大観衆が詰めかけた“オリジナル10”同士による国立決戦。激闘の末、名門・東京ヴェルディが2008年以来となるJ1昇格を決めた
「決してエレベータークラブになってはいけない」
一方で、J2優勝のFC町田ゼルビアとは1分1敗、2位のジュビロ磐田とは2引き分け、4位の清水とは2敗と、上位との対戦で勝ち切れなかった。1点差ゲームの勝敗も11勝8敗で、拮抗したゲームで抜群の強さを誇ったわけでもない。来たるJ1での戦いを見据えると、課題も浮かび上がってくる。
谷口が引き締まった表情で話す。
「J1昇格は達成できましたけど、ホントの勝負というかスタートはこれからです。クラブとしてもう一度、気を引き締めなければいけないと思います」
中原、染野、長谷川は期限付き移籍だ。彼らを含めた保有戦力の維持と、新戦力の獲得による底上げは必要だろう。
過去5シーズンのJ1昇格チームを見ると、4チームが昇格1年目で降格している。今シーズンも横浜FCが最下位で降格となった。
過去にJ1昇格プレーオフを勝ち抜いたチームも、翌シーズンは厳しい戦いを強いられている。6チームのうち4チームが、1年でJ2に逆戻りしているのだ。
城福監督は「決してエレベータークラブになってはいけない」と話す。昇格と降格を繰り返さないために。城福監督の、選手たちの、東京Vの、本気度が問われていく。