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「東大野球部エリートはサラリーマンになっても優秀か?」平均年収1500万円超、就職人気企業へ…東大野球部→三菱商事→ローソンストア100社長のスゴい人生
text by
沼澤典史Norifumi Numazawa
photograph bySankei Shimbun
posted2023/11/26 17:26
写真はこの秋の東大野球部。法大戦で、東京六大学リーグ2季ぶりとなる白星をあげ、マウンドで喜ぶ松岡由機投手(4年)
こうして、さまざまな環境でビジネスの厳しさを骨身で味わい、さらにアメリカ留学で世界の広さを感じた佐藤が、現職であるローソンストア100社長への階段を上がり始めた直接のきっかけは、三菱商事によるローソンへのTOB(株式公開買い付け)である。
「ローソンへの出資比率を引き上げて子会社化するプロジェクトですが、これに私も参加して、2017年2月のTOB成立後、ローソンに出向しました。当時のローソンは次のステージに向けて勢いをつけていた頃ですが、その子会社のローソンストア100が赤字続きで苦戦していました」
そこで手を挙げたのが、佐藤だった。過去には、100円均一チェーンのダイソーに3年間出向していた経験もあり、大手コンビニと違って生鮮食品を扱っているローソンストア100には強みも感じていた。「自分がやるしかない。新しいコンビニの形を作りたい」と佐藤は奮い立ったという。
あえて東京六大学にたとえるなら、コンビニ業界トップのセブンイレブンが明治だとすれば、ファミリーマートやローソンは早慶や法政だろうか。そしてローソンストア100は東大に見える。ここから佐藤は、どうやって勝ちを取りにいくのか。後編記事では、佐藤の戦略を尋ねる。
<続く>