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甲子園の風BACK NUMBER
「9回無死から2ランスクイズ」甲子園史に残る逆転サヨナラ許した近江高“悲劇の捕手”のいま「時を戻してやり直せるなら?」返ってきた意外な答え
posted2025/12/30 11:09
悲劇のサヨナラ負けに涙を流す近江高・有馬
text by

佐藤春佳Haruka Sato
photograph by
Hideki Sugiyama
◆◆◆
社会人野球2年目のシーズンを終えた有馬は、確かな手応えを感じながらも地道に自らの課題と向き合っている。
「今年は試合に出させていただくことが多かったのですが、後半になって少し成績を落としてしまった部分がある。まずは1年間を通してしっかり結果を出せる体を作っていく必要があると思っています」
積み重ねた「経験」と台湾で得た「刺激」
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今シーズンは、主戦として多くの試合で先発マスクを被った。予選を勝ち抜き、西関東第1代表として都市対抗野球大会に出場。2回戦でJFE東日本に延長タイブレークの末敗れたが、JR西日本との初戦では3投手を好リードし、勝ち越し打を放つなど攻守で活躍した。
「去年は見ているだけだった大舞台でプレーさせてもらって、初戦をしっかり勝ち切れたことは大きな自信になりました。ただ、心に残っているのは勝った試合よりも負けた試合。今年は特に僅差で負けるケースが多かった。キャッチャーとして守りきれなかった、競り負けてしまったのはやはり、悔しかったです」
11月には台湾で開催された「アジア・ウインター・ベースボールリーグ」にJABA選抜チームの一員として出場。アマ球界の若手有望選手たちとチームメートとして過ごすなかで、大いに刺激も受けた。
「いい選手と一緒に野球をして、色々な話を聞いて、アドバイスももらって沢山のことを仕入れてきました。この冬は試行錯誤しながらも色々なことに取り組んで、野球の技術につなげていきたいと思っています」
さらなる飛躍へ、その表情は大志に満ち満ちている。

