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《交際0日で結婚》「私を支えてくれた夫は大偉業だと」ブラジル柔道コーチ藤井裕子さん41歳と夫の美しい信頼「育児に関われて幸福でした」
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byJIJI PRESS
posted2023/11/25 17:02
2019年、世界柔道での藤井裕子さん
その際、ロンドン五輪後は日本へ帰国するのだろうと思い込んでいたところ、『ブラジル柔道連盟からコーチのオファーを受けており、引き受けようと思っている』と聞いて絶句しました。しかし、プロポーズを撤回することなく結婚し、ブラジルへ渡り、彼女の活動、3人の子供たちの育児、さらには自分のフットボールのアマチュアチームでのプレーなどを通じて、日本にいたら決してできなかったであろう様々な体験をすることができた。
一般に、日本では父親は仕事に忙しく子供と一緒に過ごす時間が少ないと思いますが、自分は育児に直接かかわることができた。この点は、本当に幸福でした」
日本に戻ったら、思い切り仕事をしたい
――ブラジルには来年末まで滞在し、それから日本へ帰る可能性が高いと聞いています。
「そうですね。まずは、群馬県沼田市にある私の実家に落ち着くことになると思います。裕子は柔道コーチとしての仕事を続けると思いますし、私も教員に復帰するか、健康関係や電気関係の仕事をするなど、様々なプランがあります。日本へ戻ったら、思い切り仕事をしたいと考えています」
◇ ◇ ◇
日本へと戻る日を想像しながらも、愛息の清竹くんはブラジル国内有数のフットボールクラブなどでフットサルの技術を磨いている。
その生活も聞いてみると、このようにも話していた。
「練習初日の前日になって突然、『今年のフットサルチームの所属メンバーから外れた。ただし、フットボールチームの所属メンバーには入っているので、引き続きそちらの練習には来てほしい』という連絡を受けたんです」
一体、どういうことなのか――。
<第3回に続く>