「全日本では3区以降、すべて区間5位以内でまとめられました。これはウチの地力が上がっていることの証明だと思います。箱根では伊地知、平林で見せ場を作って、駒澤を慌てさせられればと思います。でも、ウチの単独ではそこまで揺さぶりをかけられないかもしれない。それこそ、2位争いをした青学さん、中央さんと合同ミーティングをして、共同作戦を練るしかないかもしれません（笑）」

【2】中央大・藤原監督「想定外だった“エースの不調”」

　2位争いをした3校のなかで、いちばん悔しい表情をしていたのが中央の藤原正和監督だった。

「優勝を狙ってましたので……。なかなか上手く行かなかったです」

　中央は前半に主力を投入する攻撃的な布陣を組んだ。1区・吉居駿恭（2年）、2区中野翔太（4年）、そして3区にエース吉居大和（4年）、4区に溜池一太（2年）というオーダーである。

　序盤で先手を取り、駒大に揺さぶりをかける作戦か――そう想像していたが、監督に話を聞くと「内向的」な作戦だった。

「1区の吉居駿恭、2区の中野は出雲駅伝で力を発揮できなかったこともあり、今回は自信を回復させる意味を含め、1区、2区という競り合いのなかで実力を発揮して欲しいという思いで送り出しました。2区終了時点での順位とタイム差は想定内です（5位で首位駒澤との差は34秒）。これで駿恭と中野はしっかりと箱根につなげられると思います」

　想定外だったのは、エースである吉居大和の不調だった。

　序盤こそいい入りをしたものの、順位を上げきれないどころか、後退。駒沢との差が1分52秒まで広がってしまった。この結果は、藤原監督も理解に苦しむ様子だった。

3区を走った中央大のエース吉居大和（4年）。区間11位だった　©Asami Enomoto

「大和は練習も出来ていたので……原因を探っていきたいと思います。思い当たるのは、8月にコロナに感染し、距離を踏みたい時期に練習が思うように積めなかったこと、来年のパリ・オリンピックを考えて、10月上旬には世界ロードでラトビアに遠征してのフライアウェイがタフだったかな、とは思います。とりあえず、11月、12月で大和の自信を回復させることが先決です」

「一度でも『背中を見せる』」

　中央に「STOP! 駒澤！」の秘策はあるのか？　藤原監督は言う。

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