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大阪桐蔭にビックリ出現“189cmのスーパー1年生”「2年後のドラフト目玉」「異次元のスケール」森陽樹とは何者か? 生で見た衝撃
text by
柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph byNumber Web
posted2023/11/02 11:01
「2年後のドラフト目玉」大阪桐蔭の森陽樹とは何者か?(写真は大阪桐蔭の練習場/2022年冬撮影)
「ちょっと僕も心配していましたけど、硬式球に慣れてきたら問題はなかった。軟式球は軽くて、硬式はちょっと重い。その分、ストレートが沈まないというか、ビシッといく感覚がある」
理想は「ロッテ佐々木朗希」
桐蔭の寮で森は、中学時代に関西ナンバーワン投手と称された同級生の中野大虎と同部屋だ。同じようにプロを夢見る右の豪腕タイプ。ふたりを私生活から競わせたいという指導者の思惑も見え隠れする。
「ブルペンでも横で投げて、お互いに悪いところがあったら言い合って、切磋琢磨しています。普段は仲良く、野球の時はバチバチ(笑)。1年生ですけど、2人で引っ張っていきたい」
今夏のメンバーからは漏れたものの、新チームでは15番を背負ってベンチ入り。入学後に身長は2cm伸びて189cmに。体重は70kg台から85kgに。球速も現在はMAX151キロまで上昇した。カーブはブレーキの効いた縦に落ちるボールで、左打者の内をえぐるカットボールやスプリットも持ち球である。
理想とする投手は、千葉ロッテの佐々木朗希。高校生のうちに、令和の怪物のように160キロを記録したい。
「バッターが分かっていても、バットに当たらないストレートが理想です。コースがアバウトでも、抑えていける自信があります。入学後、前田さんをはじめ、周りの投手を見て、すごいなとは思うんですけど……自分は自分と言い聞かせています(笑)。調子が悪くなると、左の肩が開きがちになってしまう。(投球動作中に片足で)立った時のバランスを大事にしています」
2年後…「選ばれるように頑張りたい」
前田がドラフト指名された日、大阪桐蔭の1、2年生はグラウンドで練習していた。
森は謙遜しながら、こんな未来を思い描いた。
「自分も2年後、必ず選ばれるように頑張りたいです」
これから2年、大阪桐蔭の試合に足を運ぶ理由がまたひとつ増えた。