63分、ベリンガムの台頭、そしてその年齢も影響しているだろうか――今季出場時間を大幅に減らすモドリッチが投入される。

　マドリー指揮官アンチェロッティの指示と共にピッチに入った38歳は、一気にゲームを支配してみせる。巧みにピッチ上を動きボールを引き出すと、長短のパスを使い分けてバルサ陣内へと攻め入った。

　68分、ビニシウスのクロスに反応したガビがベリンガムのマークから離れた一瞬だった。ボックス外ゴールまで25メートル、フリーのベリンガムの元へボールがこぼれた。迷わず振り抜かれた右足から放たれたボールは、GKテアシュテーゲンの右手がボールに触れることを許さずネットへと突き刺さった。

ガビの悔しさ、ベリンガムの咆哮

　今季新加入のベテランと若手のそれぞれのゴール、良い試合だった。1−1の同点も妥当――そんなことが頭によぎり始めていた、アディショナルタイム92分、ベリンガムによる劇的な逆転弾が決まった。

　カルバハルのクロスに反応したモドリッチの右足によって軌道を変えたボールは、バルサ新加入CBイニゴを越えてベリンガムの元へ。

　フェルミンに代わってゲームを締めるために投入された今季加入オリオル・ロメウは、攻撃面では劣るものの、ブスケッツより守備力の高さに定評がある。そんな彼が最後にベリンガムのマークを外してしまっていたのは、バルサにとっては皮肉以外の何物でもなかったか。

　終了間際には、ビニシウスの交代に際して揉め事が起こったり、両チームそれぞれに、「それはないよ」という判定もあった。

　試合終了と共に見せたガビの悔しさ、ベリンガムの咆哮の対比が試合そのものを表す結果となった。

アンチェロッティとチャビの采配力の差が出たか

　結果論になってしまうが、モドリッチを途中投入して流れを変えたアンチェロッティの采配に対し、チャビは、昨季15歳でトップデビューさせ、今季もめざましい活躍を続ける攻撃的MFラミン・ヤマルを先発起用していれば、欲しかった2点目も奪えていただろうか。

　また途中出場させたものの、怪我明けだったラフィーニャとの兼ね合いで適正ポジションで見れなかったのは残念なポイントだった。

　同じく怪我明けであるレバンドフスキの途中投入にもキレは見えず、マドリーに流れを渡す助けになってしまった。

　バルサは次節、久保建英所属のレアル・ソシエダと対戦する。

　クラシコでの悔しい敗戦を払拭するには勝利しかなく、引き分けでも大きなブーイングは避けて通れない。今節怪我で欠場している、中盤の要ペドリ、デヨングが間に合うという情報も出ており、必勝の体制で臨む。

＜久保建英ソシエダ編につづく＞

#2に続く

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