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久保建英22歳“右サイド無双”はソシエダの拠り所「このゴールはタケのだ」指差し感謝のブライス…“動画に映らない”鮮烈MOMとバスクの風景
posted2023/10/25 17:03
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
10月21日、代表ウィーク明けとなったラ・リーガ10節、レアル・ソシエダ対マジョルカ戦を撮影するためサンセバスチャンを訪れた。
ソシエダの久保建英にとっては古巣対決となったが、この日は、ベンチからのスタートとなった。
久保は、日本代表として17日火曜日に神戸での対チュニジア戦に先発出場、中3日で今節を迎えている。現時点で日本とスペインの直行便はなく、少なくとも15時間以上のフライトが必須となる。代表戦後のコメントでは、ロングフライトに対し「睡眠薬をもらっている、スパッと寝られれば良い」と、コンディション調整の厳しさに言及している。
久保はベンチ、と伝えると残念がる子供たち
またマジョルカ戦から中2日でアウェイでのCLベンフィカ戦、週末には再びリーガと過密日程が続く。指揮官イマノルは、格下マジョルカに対し9月度のリーガMVPである久保を温存する決断を下した。
ちなみにユーロ予選を戦うスペイン代表は、ヨーロッパ内で木曜日と日曜日に試合を行なっており、移動距離、移動時間、クラブから離れざるを得ない期間など、久保含め日本代表ヨーロッパ組の過酷さを考えさせられる。
とはいえ6連勝中の日本代表にポジションを確約される選手はおらず、チーム内には熾烈なポジション争いがある。選手としては、国を背負ってピッチに立つためには避けて通ることはできない。
14時のキックオフということもあってか、多くの家族連れサポーターの姿があった。「Kubo」と声をかけてきたTAKEユニホームの子供たちを写真に収め、ベンチだねと伝えると、残念がる様子がいじらしい。
ややリラックスした様子で姿を現した久保が、古巣マジョルカの選手やスタッフと声を交わすシーンを撮影する。するとソシエダのオフィシャルカメラマンが近づいてきて「試合前に久保の月間MVPのお披露目があるから撮影の用意しなよ」と声をかけてくれた。
もちろん情報としては認識していたが、彼の気遣いには感謝した。
お披露目では――久保がユニホーム姿ではなかったことが残念ではあったが――クラブレジェンド、シャビ・プリエトから記念品が受け渡されると、やや照れたようにベンチに戻る久保へ、スタッフやベンチメンバーから拍手や暖かい言葉が投げかけられていた。
思惑通り進まず、久保投入へ指揮官は動くことに
ただ試合は、指揮官の思惑通りには進まなかった。