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「頑固で、負けず嫌い」の森保一監督に鍛えられた“平山世代”のボランチ出世頭・青山敏弘(37歳)が今季中に必ず立ちたい“舞台”とは?
posted2023/10/25 11:06
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
Atsushi Iio
2014年のブラジル大会に続く2度目のW杯出場の可能性は、目前で断たれた。
18年5月24日、ロシアW杯に向けた日本代表合宿に参加した青山敏弘は、傷めていた右膝の手術の必要性をメディカルチェックで指摘され、離脱を余儀なくされた。
チームメイトに別れを告げる際、足首を傷めていた岡崎慎司に「足首、あんまり無理せず、頑張ってよ」と伝えると、「ここは無理するとこだよ!」と食い気味に言われ、返す言葉がなかった。
「ああ、自分はワールドカップに対する考え方が甘かったんだなって。今の自分が来る場所じゃなかったなって……」
岡崎の言葉で吹っ切れた青山はサンフレッチェ広島で復活を遂げ、W杯後に立ち上げられた新生日本代表のメンバーに選ばれた。
指揮を執るのは森保一監督。青山にとっては12年から17年夏まで一緒に戦った恩師である。
19年1月のアジアカップのメンバーにも選ばれ、ウズベキスタンとのグループステージ第3戦にボランチとしてフル出場を果たした。ところが、この試合で右膝に違和感を覚え、チームから離れることに――。
今のところ、この試合が青山にとって最後の代表キャップとなっている。
それからおよそ4年後、森保ジャパンのカタールW杯での戦いは、青山の目にどう映ったのか。そして、森保監督に対しては、どんな思いがあるのだろうか。
父のようなミシャ、兄貴のような森保
――ミシャさん(ミハイロ・ペトロヴィッチ)はお父さんのような存在だったと。では、森保監督は青山選手にとってどんな存在でした?
青山 森保さんは、兄貴的な存在ですよね。それにプロ経験があるから、プロ選手の感覚や気持ちをすごくわかってくれる。選手にすごく近いというか。あとは……ちょっと頑固な感じで、曲げないところは曲げないし、それに、すごく負けず嫌いなんですよね(笑)。
――それは、どういうところで感じるんですか?