Jをめぐる冒険BACK NUMBER
「頑固で、負けず嫌い」の森保一監督に鍛えられた“平山世代”のボランチ出世頭・青山敏弘(37歳)が今季中に必ず立ちたい“舞台”とは?
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byAtsushi Iio
posted2023/10/25 11:06
同学年の選手たちが引退していく中、いまだ情熱を燃やし続ける青山敏弘(37歳)。森保監督との思い出や盟友たちへの思いを明かした
――来年、広島市内の都心部に念願のサッカースタジアムがオープンするじゃないですか。先日、選手たちも内覧したそうですが、どうでした?
青山 いや、実感が湧かないんですよねえ。今のエディオンスタジアムへの思い入れが強いから。やっぱり自分にとっては、エディオンスタジアムこそがホームスタジアムなんで。それは新しいスタジアムができても変わらない事実で、新スタジアムはこれからの選手たちにとってのスタジアムだと思っていて。そういう意味では、僕と若い選手たちとでは、エディオンスタジアムや新スタジアムへの感情はまったく違うと思います。もちろん、いろんな方々の努力と理解と尽力によって新スタジアムが造られ、それを現役中に見られたのは光栄なことだし、なおかつ、そこでプレーできる可能性があるのは本当にありがたい。そういうチャンスをいただけるなら、プレーしてみたいっていう思いはありますけど、今は先のことまで考えてないですね。
――ここで、「楽しみですね」と言うのは簡単だけど、エディオンスタジアムへの思いがあふれるあたりが、青山選手らしい。
青山 だから今、エディオンスタジアムのピッチに立てていないのが、余計に寂しいんですよね。もう最後なのに。
――でも、まだ時間はある。
青山 そうだね。エディオンスタジアムと自分が最後、どう接していくのか。まだ新スタジアムへの思いが湧かないっていうことは、やっぱり自分は今を戦ってるんだなって。それも自分らしくていいかな(笑)。ほんと、このままじゃ終わらないよ。周りは誰も期待してないかもしれないですけど、自分は自分に期待してます。うん。自分くらい、自分に期待していいでしょ(笑)。
(全3回・完)
◇前編では、駒野友一との2ショットなど貴重な写真も多数掲載しています。