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チェコ語でコーチと口論になることも…やり投げ世界女王・北口榛花が逆境でも勝負強さを出せるワケ「ハルカは6投目のスペシャリストだね」
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph byWataru Sato
posted2023/10/23 17:00
世界陸上で金メダル&ダイヤモンドリーグファイナルでも優勝を果たしたやり投げの北口榛花
単身チェコに渡り知った、トレーニングの意味
2019年から単身でやり投げ大国のチェコへ渡り、デービッド・セケラックコーチから指導を受けている。快挙達成の裏にはコーチとの強い絆があった。
「ウエイトトレーニングも、以前は何となくこなすという感じで、やり投げとどうつながっているのかまったく理解していませんでした。そもそもトレーニング自体の意味を考えることがなかった。最初の頃は600gの軽いものを投げるのに、なんでベンチプレスで100kg挙げないといけないの? と思っていたくらいです(笑)。でも、デービッドはその意味や意義を何度も繰り返し丁寧に説いてくれました。たとえばスクワットなら、ただ筋肉を大きくするのではなく、地面をしっかりと踏んでその力を手に伝える技術を養うとか。練習そのものに対する考え方も大きく変化しましたね。
オフは『競技以外のことをしろ』『競技のことは考えるな』とよく言われます。やり投げに対する思いや、強くなりたいという気持ちをオフの間にフルに充電して欲しいという意図があるんです。そのお陰で今はオンオフの気持ちの切り替えがよりできるようになったし、いい形で新しいシーズンに臨めるようになりました」
当初はつたない英語やチェコ語を駆使しながらコミュニケーションを取っていたが、最近では流暢なチェコ語で意見をぶつけ合い、時には口論になることもあるという。
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