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河村勇輝「フィンランド戦は最高のプレーができると」高校恩師に届いたLINE…五輪決定後の夜中に「日々成長です。きょう出た課題はまた明日に」
text by
古川明Akira Furukawa
photograph byFIBA
posted2023/09/13 11:03
バスケW杯で輝きを放った河村勇輝。恩師の目にはどう映ったか
「こちらが思っていたよりも2倍、3倍のスピードで成長している」
もちろん河村の潜在能力は誰よりも知っている。高校生のときから、常に高いレベルを要求し、日本代表も意識させてきた。
「高校2年生のときに『Bリーガーになりたい』っていうから『明日にでもならしてあげるよ』って笑ったことがあるんです。それくらいのプレーはしていましたから。日本代表のポイントガードになれってことは言ってきた。そしてオリンピックに連れていってくれって。本当はパリの次だと思っていたんです。早いんだよ(笑)。この先? NBA、いってほしいけどね。ヨーロッパにいってもサッカーじゃないから僕たちが見る機会がないしね。NBAであれば見られるから」
「日々成長です。きょう出た課題はまた明日に」
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オリンピック出場権を決めたカーボベルデ戦の夜中、また河村から井手口へLINEが来た。そこには感謝の言葉のあと、最後にこう記されていた。
「日々成長です。きょう出た課題はまた明日に」
沖縄での滞在期間中、井手口は関係者を通じてある人に誘われ、数人で“あのバスケ映画”を観たという。
「初めて観たんですよ。ちょうど予定がなかったし、沖縄で最後の上映をしているからって。一緒にいった人? 映画館を出たところでファンの人たちに見つかっちゃって……」
河村と同じ小さなポイントガードが主役の映画を見て、フィンランド戦で涙腺の弱くなった井手口はまた泣いてしまった。