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16歳で代表デビューした“女子バレー超新星”の今「ほんまに頑張りたい」25歳になった宮部藍梨の進化とは? キャプテン古賀紗理那も信頼
posted2023/09/18 11:06
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph by
Yuki Suenaga
FIVBパリ五輪予選・東京大会で、2連勝と好スタートを切ったバレーボール女子日本代表。ミドルブロッカーとしてスパイク、ブロック、サーブとあらゆる局面で存在感を発揮しているのが、昨年日本代表に復帰した宮部藍梨(25歳)だ。好調の要因を探る。
国立代々木競技場・第一体育館の最上段まで埋め尽くされた観客席を見渡す。眩いライトと、あちらこちらで金色のスティックバルーンが揺れる。
その光景に、宮部藍梨は高揚した。
「人がたくさん来てくれて、熱気もある。感謝の心と、“ぞわっ”とした気持ちでした。頑張らないと、って奮い立ちました」
昨年の世界選手権でも日の丸をつけ、日本代表として戦った経験はある。今年のネーションズリーグでもミドルブロッカーとして出場したが、名古屋ラウンドはメンバーに入っていなかったため、これほどの観客の前で、しかも五輪の出場権をかけて戦う場に立つのは初めて。
憧れの舞台に立ち、自分の役割を果たす。喜びに満ち溢れていた。
16歳で代表デビュー、5年間のアメリカ留学
金蘭会高時代から注目を集めた宮部は、当時まだ16歳だった2015年4月に日本代表に選出。同年7月のワールドグランプリ(現・ネーションズリーグ)に出場し、高い打点から放つスパイクで鮮烈なデビューを飾った。
しかし、その後は相次ぐケガ、腰痛に悩まされた。日本代表に選出された翌年、最上級生となり再び高校三冠を目指すもインターハイは準優勝、最後の春高バレーはベスト4に終わった。直前のケガで準決勝のコートに立つことすらも叶わなかった。
高校で全国大会上位を争った選手の大半が、Vリーグや関東・関西の強豪と言われる大学進学を選択する中、宮部は神戸親和女子大へ進学し、2017年9月からアメリカへ留学を決断。サウスアイダホ大で活躍後、ミネソタ大へ編入し、5年間の留学を経て、昨年日本代表に再び選出された。