「これは1年目から思っていることなんですけど、ベイスターズは先輩方のおかげで、若い選手がプレーしやすい環境にあると思います。だからこそ、もっとスタメンに食らいついていくような若い選手が増えていってほしい。そこは自分が背中で引っ張るのか、声を掛けるのかはわからないけど、とにかく『取ってやるぞ！』っていう強い気持ちを持った若い選手を増やしていきたいですね」

知野のグランドスラムに「本当によかった…」

　9月3日の巨人戦（横浜スタジアム）では、牧や山本と同学年の知野直人が2回裏という早いタイミングで代打を任され、逆転となる満塁本塁打を放っている。

「いやー、めちゃくちゃうれしかったですね」と牧は言うと、相好を崩した。

「あのタイミングの代打ですから準備万端というわけではなかったと思うんですけど、それでも決めましたからね。本人は試合に出たい気持ちがあるけど、なかなか出られない状況にあって、試合前のバッティング練習が終わった後に、さらに自分で練習している姿とかを見ていたので、本当によかったなって」

　やっぱり同世代や、さらに若い世代がチームを盛り上げなければいけませんね、と牧に伝えると「間違いないっすね！」と力強く答えた。

可能性がゼロにならないかぎり諦めたくない

　残り試合も20試合を切り、DeNAのリーグ優勝は厳しい局面にあるが、それでも牧の眼は輝きを失わない。

「可能性がゼロにならないかぎり諦めたくはない。それにクライマックスシリーズを考えても、とにかくひとつでも上を目指してプレーをしていきたいです」

　そして個人的な目標である「打点王」に関しても、現在93打点とリーグトップであり射程圏内に入ってきている。

「ものすごくこだわっているタイトルですし、これから大事な試合がつづくので、チャンスをしっかりモノにして、1点1点積み重ねていきたいと思います」

　誰もがその存在を認める“ハマの四番”。大切な場面で見せるひと振りを武器に、後悔を残すことなくシーズン終盤へと挑んでいく。