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なでしこW杯8強を支えた熊谷紗希32歳の素顔「一度会えばみんな友達」若手が慕い、安藤梢先輩にも愛される“超コミュ力”「コズエ!って」
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byGetty Images
posted2023/08/25 17:03
2011年W杯で世界一を経験し、欧州リーグでの経験も豊富な熊谷紗希(32歳)。明るい性格で、若い選手たちの声に耳を傾けた
――物怖じしない性格であると同時に、年下の選手たちにも親しみやすいはずだと今連載の前々回におっしゃっていましたよね。
安藤 紗希って、私に対しても『コズエ!』って呼び捨てなんです。もう、ものすごくオープンな性格なんですよね。フランクフルトでは2013年1月からの半年間だけチームメイトだったんですけど、一緒に食事に行くと、ささっと食べるものを全部選んでくれるんです。昔から姉御肌で本当にテキパキしていて迷いがない。
あと、食事にいったレストランでは、ものすごくたくさんの人が『紗希ちゃん、紗希ちゃん』って声をかけてくるんですよね。なんでだろうと思ったら、『一度会った人はみんな友達なんで』って言っていました。
――すごく面白い方なのですね。
安藤 当時、フランクフルトには乾貴士選手も在籍していて、サッカーで1対1の勝負を挑んだり、自分の成長にとても貪欲でした。2015年のカナダW杯の時も、私が初戦で骨折して離脱してしまい、再合流できるとしても決勝がギリギリだったんですけど、その時も『梢、決勝で待ってるから』って。頼もしすぎるんですよ。
――本当に頼れる後輩ですね。
安藤 本当にそうなんです。ポジティブですし、切り替えも早い。なので、W杯も終わって、今はもう次の戦いに向けてしっかり切り替えているんじゃないのかと思います。
――日本代表の次の大きな舞台はパリ五輪予選ですね。
安藤 五輪のアジア予選は昔からいつでもとても厳しいんですよね。でもチームがまた強くなるチャンスだと思うので、そういう苦しい戦いがまた近くにあるということは逆にチャンスだと思います。
――そのためにも全体的な戦力のアップが必要ですよね。
安藤 そうですね。でも、そのために海外へ、とは私はあまり思わなくて、WEリーグの選手が今大会ではすごく自信を持ってプレーしていたし、活躍しましたよね。なので今、WEリーグでプレーしていて代表に入らなかった選手たちはものすごく刺激されていると思うんです。自分も代表に、と思った選手がたくさんいるはずです。代表選手に引っ張られる形でリーグもレベルアップすると思うので、熱い戦いをすることで成長にもつながるかなと思います。私も2023-24シーズン(8月26日からWEリーグカップが開幕、WEリーグは11月)が楽しみですし、是非みなさんにも見に来ていただきたいです。
〈連載全3回終了〉