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〈未来の守護神〉ロッテ・横山陸人22歳「着実な成長」を支えた吉井監督の“親心”「みんな佐々木朗希を見ていた」初ブルペンから始まった「5年計画」の未来図
text by
梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byChiba Lotte Marines
posted2023/08/14 11:00
サイドハンドから150kmを超える速球を投じる横山
吉井監督が演出した「甲子園で初登板」
横山は2年目、甲子園でプロ初登板を果たしている。専修大松戸高時代、甲子園出場を目指しながらも聖地のマウンドを踏めなかった横山への想いを込めて吉井監督(当時投手コーチ)が温めていたデビュープランだった。21年5月26日、3点ビハインドの6回からマウンドに上がると1回を無失点に抑えた。そして翌27日、同じく高校時代に甲子園のマウンドを踏むことが出来なかった佐々木朗希は甲子園でのプロ入り2度目の登板(デビューは本拠地ZOZOマリンスタジアム)でプロ初勝利を挙げることになる。
「まさか甲子園でプロ初登板するなんて思ってもいませんでした。感動しました。緊張して色々な事を感じる余裕はなかったのですが、しっかりと投げることが出来た。ここから一歩ずつしっかりとプロの道を歩もうと思えました」と当時を懐かしむ。そして吉井監督の配慮に感謝し、恩返しを誓う。
指揮官も横山の成長を喜んでいる。
「元々、入れ込む子なので、経験を重ねてマウンドで感情をコントロールできるようになればと思っていたけど、最近はだいぶよくなった。顔もだいぶお兄ちゃんになったかな。これからは実績を重ねて勝っている試合の7回以降のどこかで投げる勝ちパターンの投手になって欲しいと思っている」
まるで自分の子供を見るような優しい視線を背番号「60」に送る。
地道に掴んだ「夢の場所」
あの日、プロ入り初めてブルペン入りしても誰からも取材を受けることがなかった若者は今、取材のオファーが増えている。それは横山が自身で地道に掴んで得たものであり、マリーンズ首脳陣が温かい目で見守りながら育ててきた結果と言える。
佐々木朗希が8回まで無失点ピッチングを披露し、最後に横山がピシャリと締める。そんな光景を見る日もきっとあるだろう。
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