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MAX155kmに「もっと出そうな感覚がある」“ドラ1候補”東洋大・細野晴希の「本当の評価」と伸び代…阪神・村上との衝撃の出会いが転機に
text by
酒井俊作Shunsaku Sakai
photograph byHideki Sugiyama
posted2023/08/04 11:00
プロ注目左腕の東洋大・細野
10月26日のドラフト会議では最上位候補として注目を集める存在だが、浮ついたところはない。
「ドラフト1位候補と言ってもらえるんですけど、すごくレベルの高い投手がいっぱいいて、僕としては横一線だと思っています。そのなかから頭ひとつ、抜け出したい」
今春のリーグ戦でも球のばらつきは目立ったが、時折、しっかり指に掛かった快速球は目が覚めるようなキレがあった。この球が増えてくれば……。そんな期待感を抱かせるし、緩急や制球を身につければ、投手としてさらにレベルが上がる。まだまだ成長途上で、伸びしろは計り知れない。
「もっと出そうだという感覚が…」
細野は155kmを計測したとき、こんな感覚があったのだという。
「これで155kmだと、もっと出そうだなという感覚があるんです。ピンチだったので多少、力を入れていたんですが、そんなに全力で、というと、そうではなかった」
いまは、夢をつないだ大学日本一を目指して、研鑽の日々をすごす。そして、2カ月後には、運命の1日がやってくる。精悍な顔を引き締めて言った。
「野球人生の最終的な目標は、一番スゴイ投手になること。まだプロとレベルは違いますが、1年間投げて、勝てる投手になります。いや、ならないといけない」
未完の大器の行く末を見守りたい。
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