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「大谷翔平には劣るが、イチローや松井秀喜は超えている」ボストン在住記者が“優秀すぎる吉田正尚”を独自分析「ヨシダは平均の1.38倍も…」
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byGetty Images
posted2023/07/29 11:03
7月15日、特大ケーキで30歳の誕生日を祝福された吉田正尚。レッドソックスの主軸として後半戦も活躍が期待される
吉田を打線の軸に据えたレッドソックスは今季、勝率5割を越える成績を挙げています。開幕前、優勝を争うわけではなく、ドン底に落ちるわけでもないという位置に落ち着くと考えていたので、ここまでは大体予想通りか、私の予想よりも少し好調なプレーをしていると思います。今後、さらに向上できそうな兆候も見えており、8月1日のトレード期限までにどう動くかが気になるところです。
今季に勝負をかけるのではなく、数年先まで睨んだチーム作りをするだろうというのが私の現時点での見方。プレーオフに出ても、早期敗退してしまうようなチームであれば、この時期に自前のプロスペクトを出してまで補強する意味はありません。だから今夏に関しては、若手を放出し、ベテランを獲得するようなトレードは実行しないのではないでしょうか。長期視野のチーム作りを進めているレッドソックスの中で、吉田がどんな役割を担っていくかは興味深いところです。
売り出し中のトリストン・カサスがさらに成長し、主砲ラファエル・デバースも好成績を保ち、さらに吉田も打ち続ければ、チームにとって大きいことは間違いありません。今後、吉田は松井のように2、3年目にさらに成績を向上させるのか、それとも今の姿がベストなのか。それを予測するのは難しいですが、現時点ではっきりしているのは、レッドソックス首脳陣はここまでの吉田の働きを喜ばしく思っているということ。それと同時に、吉田の入団時、5年9000万ドルという高額契約に懐疑的だったファンたちも、すでに意見を変え始めているのもまた確かなことに思えます。
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