ここで大谷に目をやると、1年目のwRC＋は149。やはり大谷は規格外としか言いようがありません。ただ、留意すべきは、大谷のルーキーシーズンの打席数は367に止まっていること。イチローは738、松井は695、今季の吉田ですらも7月中にすでに大谷を上回る数の打数をこなしています（26日の試合終了時点で384）。

　それらも考慮していくと、改めて吉田の打撃面の貢献の質の高さが浮かび上がってきますね。議論はあるとは思いますが、このまま後半戦もこれまでの好成績を維持するという条件付きで、少なくとも数字上は、吉田は日本人打者としては最高級のルーキーシーズンを過ごしているという考え方もできるのかもしれません。

新人王も有力候補「打率は3割以上を残す」

　ここまでの安定感を見る限り、吉田が後半戦でも前半とよく似た数字を残す可能性は高いのではないでしょうか。大崩れするようなことがあればサプライズ。その一方で突然、バリー・ボンズのように長打力を爆発させるとも思えません。

試合前の打撃練習風景　©︎Getty Images

　予想を巡らすなら、今後もコンスタントな打撃を継続し、打率は3割以上を残すでしょう。wRC＋は120以上をキープし、平均的なメジャーリーガーよりも20％以上は優れた打者であり続けると見ます。吉田自身はルーキー・オブ・ジ・イヤー（新人王）に興味はない、自分をルーキーだとは思っていない、という記事も読みました。今でもそう思っているのかはわかりかねますが、このままいけばテキサス・レンジャーズのジョシュ・ヤング同様、吉田は新人王の有力候補になるはずです。

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