選手がインタビューを受けているときに、インタビュアーと選手の間に入って自分が意気揚々と答えてしまう通訳などは、その後、姿を見かけなくなると岡島氏は言う。

水原氏が大谷の信頼を受ける理由

　話を聞く中で、水原氏の性格を物語るエピソードがあった。

　岡島氏が大谷選手の取材に足を運んだ際、水原氏と2人きりになったときのことだ。

「雑談の延長でつい『大谷君はピッチングのときに少し腕を下げて投げているよね？』と言ってしまったんです。そうしたら一平君には『大谷さん本人に聞いてください』と言われました。選手自身のことに関して、選手がいないところでペラペラと話をしないのは通訳の鉄則です。もちろん、中には雑談だからと話してしまう人もいるんですよ。でも一平君はそういったことを絶対にしない人。それを忘れて聞いてしまった僕は、あとになって反省しましたね」

　自分に関する取材を滅多に受けない、大谷より目立つことを控えるなど、水原氏が周囲に好感を持たれ、信頼される理由は、その細やかな心配りの数々に隠されているのだろう。＜#1からつづく＞　

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