「もし移籍するなら？ ビッグ6でやれる実力はある。アーセナル、リバプール、あとはユナイテッドあたりは相性がいいでしょうね。ただ、プロとしていいオファーがあれば飛びつくべきですが、ビッグ6にいけばマルティネッリやルイス・ディアスといった一流の選手たちがライバルになる。日本代表としても試合に出られなくなるのは避けたいところですよね。

　そういう意味では残留はいい選択肢だと思います。確かにブライトンは今季のキーマンだったマクアリスターのリバプール移籍が決まり、カイセドも移籍が噂されるなどキーマンの去就が流動的。でも、デゼルビが残るならば来季もそこまで大崩れはないと見ています。三笘がプレーしやすいシステムを構築してくれるので、変わらず良さはピッチで表現できると思いますよ」

　ブライトンもそこを見越しており、すでに中盤にはドルトムントで活躍したダフードやリバプールから経験豊富なミルナーを獲得するなど、来季の編成も動き出している。

「エンシソ、ファーガソンといった若い選手たちにも経験を積ませていますし、三笘と同じウイングにはジョアン・ゴメスを獲得しましたよね。ブライトンは補強が本当にうまい。来季もプレミア席巻を期待してます」

エンシソと三笘薫。ブライトンはELでどんな戦いを見せるか　©Getty Images

　久保が残留を表明したソシエダはCLに向けたチーム作りが焦点になる。

「中盤を支えたアンカーのスビメンディに引き抜かれる噂があります。主将のイジャラメンディの退団が決まった。久保の相棒となったFWセルロートの去就も気になるところですし、DFラインもCLのレベルを考えれば補強が必要。夏の市場は注視していきたいですね。（昨年9月の）加入後すぐに怪我してしまった長身FWサディクの復帰は楽しみな要素。久保とも相性が良さそうなので、前十字靱帯断裂の影響をどこまで戻せるかがポイントになりそうです」

“化け物”が揃う世界に挑む久保を見届けたい

　いよいよCL初挑戦となる久保にはどんなプレーを期待するか。

「何より、嬉しいのはシルバとの競演を来シーズンも見られること。しかもCLという最高峰の舞台で……僕からすれば“同世代のスター選手”なので、信じられない光景ですよ（笑）。疲労や怪我の懸念はありますが、当然しっかりとケアするでしょうし、上にいくためには誰もが通る道。マドリーやシティの選手たちはそれを毎シーズンこなしている。“化け物”が揃う世界に挑む久保を解説者としてしっかり見届けていきたいですね」

ラ・レアルの子供ファンが日本語で「アイドル」と記すほど、久保の現地での人気は高い　©Daisuke Nakashima

　2人の評価を10点満点にしなかったのは「もっとできると期待しているから」。大活躍したエルサルバドル戦に続くペルー戦でも躍動を――シーズンをいい形で締めくくり、来季へ弾みにつなげてほしい。

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