「キープ力もあって時間を作れるから、味方は安心してボールを預けられる。『相手を剥がす能力』はスペシャルですが、『ボールを失わない』ことも三笘の良さ。左SBエストゥピニャンとの関係は顕著ですよね。三笘がボールを失わないとわかっているから、あそこまでダイナミックにサポートできるわけで」

あえて来季の課題を挙げるとしたら…

　指揮官デゼルビとチームメイトの信頼を勝ち取った三笘の存在は、当然サポーターたちにも認知されていく。ブライトンの街で「MITOMA 22」の着用率が上がったのは、“ビッグ6”を相手にしてもクオリティを保ったことに尽きる。林氏に印象に残るシーンを聞くと、声を弾ませてこう返ってきた。

「いやあ、印象に残るシーンはいっぱいありますけど、やはりリバプールとの試合じゃないですかね。マッチアップしたアーノルドの（疲れ果てた）表情を現地のカメラが抜いてましたから、それが圧倒している何よりの証拠ですよ。リバプール戦でいえばFA杯（4回戦）の決勝ゴールもインパクトありました。プレミアはどのクラブもレベルが高いですが、下位クラブとの試合とビッグ6が相手の試合では評価が大きく違う。注目度の高い試合で結果を残すあたりも頼もしかったです」

FA杯リバプール戦でアーノルドを置き去りにする三笘　©Getty Images

　今季リーグ戦では7ゴール・6アシスト。左サイドからカットインして決めたレスター戦でのゴラッソなど、印象的な得点シーンも多かった三笘だが、あえて林氏は来季の課題として「シュート精度」を挙げた。

「気になったのは、終盤、決定的な場面でゴールを逃すシーンが目立ったこと。個人的に、ビニシウス（レアル・マドリー／ブラジル代表）と重ね合わせてしまうんですよね。彼もマドリーに来た時は、突破するけど最後は決められないといったシーンが目立っていた。でも昨季あたりから試合を決めるゴールが増えたことで、恐れられるウインガーになった。ゴールは選手のステージを変える。チャンスメイクの能力は十分証明したので、来季はシュートにもこだわってほしいです」

エルサルバドル戦の三笘のシュート。こぼれ球を積めた堂安のゴールとなった　©Kiichi Matsumoto

【ビニシウスの変化】
＜2020-21＞
リーグ35試合 3G 5A
CL12試合 3G 2A
コパ 1試合
＜2021/22＞
リーグ35試合 17G 13A
CL13試合 4G 7A
コパ 2試合
＜22/23＞
リーグ33試合 10G 10A
CL 12試合 7G 5A
コパ 5試合 3G 4A
クラブW2試合 3G 1A

久保にとって大きかった“中央寄り”とシルバの存在

　一方、6月4日に22歳の誕生日を迎えた久保は9ゴール・7アシストとラ・リーガでのキャリアハイを大きく更新。林氏は開幕戦での活躍がシーズンの分岐点になったと振り返る。

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