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「アメリカ到着後に戦力外を知った」元巨人・山口俊が語る“日本ではありえない”メジャーのビックリ事件簿「背番号まで考えてたのに…」 

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水次祥子

水次祥子Shoko Mizutsugi

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posted2023/06/12 11:03

「アメリカ到着後に戦力外を知った」元巨人・山口俊が語る“日本ではありえない”メジャーのビックリ事件簿「背番号まで考えてたのに…」<Number Web> photograph by Getty Images

昨季をもって現役を引退した山口俊にインタビュー(中編)。写真は2020年のブルージェイズ移籍時

「いざ開幕が決まっても、ロックダウン中のカナダのチームだから、日本からいつどこに向かえば良いのかの指示もない。やっと指示を受けてフロリダに飛んでも、ホテルの部屋で数日は隔離。その後も食事は部屋で1人、気分転換の散歩にすら行けない……。公式戦も無観客なので練習試合の延長みたいで、気持ちがもうひとつ乗ってこない。そのときに改めてファンの方がいる大きさに気づかされました。力を引き出してくれていたんだなと。ファンサービスをもっとしっかりしようと思いましたし、その意味では得るものもありましたね」

「アメリカ到着→戦力外を知る」

 メジャー1年目はリリーフとして17試合に登板し2勝4敗、防御率8.06。チームはワイルドカードでポストシーズンに進出したが、山口は出場登録選手から漏れた。それだけに2年契約の2年目は強い覚悟で臨んだ。

 2021年2月10日、ブルージェイズのキャンプ地フロリダへ向けて日本を出発。ところがその直後の米国時間10日、球団からDFA(メジャーの40人枠から外す手続き)が発表された。まさかの戦力外だった。

「エアビーで借りたフロリダの一軒家に着いて、ソファに座って、スマホでヤフーニュースを見てたんですよ。そしたらトップに僕の記事が載っていて。それで初めて知ったんです。あれ、俺DFAになったんだ。うぁ、メジャーはこういう世界なんだ、って。DFAがどういうシステムなのか知らなかったし、自分はどうすればいいんだと。

 ひとつ確かなのは、自分は戦力外と見なされたということ。前年の反省を生かして、かなりトレーニング積んで臨んだ年だったので、せめてキャンプくらい見てよ、という思いは正直ありました。それで最終的に駄目だというのであれば、自分でも納得がいく。それがまさかキャンプ前に……。そんな世界なんだ、と驚きましたね」

「投手層が薄いと思ったのに…」

 その2日後の2月12日にブルージェイズから離れてFAに。そして1週間後の20日にサンフランシスコ・ジャイアンツとマイナー契約を結んだ。 

「いくつかのチームからオファーを頂きました。その中で投手力の整備を必要としているチームを、ということでエージェントとも相談して。そのとき、特に投手層が薄かったジャイアンツならチャンスがあるんじゃないかと」 

 ところがそのジャイアンツ。同時期に山口のほかにも投手を次々と獲得していた。

【次ページ】 「えっ、メジャー上がれるんじゃないの…?」

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