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「アメリカ到着後に戦力外を知った」元巨人・山口俊が語る“日本ではありえない”メジャーのビックリ事件簿「背番号まで考えてたのに…」

posted2023/06/12 11:03

 
「アメリカ到着後に戦力外を知った」元巨人・山口俊が語る“日本ではありえない”メジャーのビックリ事件簿「背番号まで考えてたのに…」<Number Web> photograph by Getty Images

昨季をもって現役を引退した山口俊にインタビュー(中編)。写真は2020年のブルージェイズ移籍時

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水次祥子

水次祥子Shoko Mizutsugi

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 昨季をもってプロ野球生活の幕を下ろし、今年4月に現役引退を発表した山口俊。自ら「波乱万丈だった」と表現する17年間について話を聞いた。中編は「メジャー文化の驚き」。〈全3回の#2/#1#3へ〉 

◆◆◆

 山口俊のメジャー生活は「まさか」の連続だった。

  巨人初のポスティングシステムでメジャー移籍を目指し、トロント・ブルージェイズと2年総額635万ドルで契約合意。遂に夢の舞台に立つことになったが……。

「一人ホテルに取り残された日々」

 まず1年目の 2020 年キャンプ中に新型コロナウイルスが襲う。3月13日にキャンプの中止が発表された。

「僕はフロリダでのオープン戦中でしたが、すでに(ブルージェイズの本拠地がある)カナダに家を借りていた。家族が先にそこに入って、住むための用意を進めてもらっていたときのことでした。カナダがロックダウンになって、家族はそのまま家財道具を置いたまま日本に帰国。メジャーのキャンプもストップ。僕はフロリダのホテルから外出もできず……。

 日増しに状況が悪化し、キャンプ再開の目処は立たずにチームメイトもスタッフもフロリダから離れていきました。一人残された僕は部屋から出るなと指示されるし、テレビをつけても全部英語ですし、話す相手もいないし。こんな1日を過ごしていたらやばいなと、メンタル的にもかなり参りましたね」

  シーズン開幕のめどが立たず、3月下旬にキャンプ地からの退去通達が出たため、いったん日本に帰国。緊急事態宣言中のトレーニングは、出入りできる施設が限られ、コンディションのピークをどこにもっていけばいいかわからない調整が続いた。

「ロックダウン中のカナダから指示がない」

 大幅に遅れた開幕は7月23日に、シーズンが60試合に短縮される形で決定。さらにカナダは国境がロックダウンされていたため、同年はトロントではなくニューヨーク州バファローにある球団傘下マイナーの球場を本拠地として使用することになった。もちろん無観客開催で、静まり返った球場が山口のメジャー1年目の舞台だった。

【次ページ】 「アメリカ到着→戦力外を知る」

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