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「クボを無効化する」要警戒した闘将シメオネが久保建英の技に呆然…ソシエダCL確定にカメラマンが思い出した「クボはフィットするよ」
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2023/06/01 11:04
レアル・ソシエダと久保建英は来季CL出場権を手に入れた
ここにきてチーム内での存在をより確固たるものにした久保はこの日も先発。右サイドにポジションを取った。その久保に相対する形で、アトレティコ5バックの最左端としてレギロンが先発起用されている。
シメオネが語った「クボ対策」と闘将が呆然とする姿
試合後、アトレティコ監督のシメオネは「今、久保は非常に好調な時を迎え、ソシエダの中で最も決定的な選手であり、久保を無効化する必要があった」とコメントを残しており、その対策のために、本来攻撃的ドリブラーであるカラスコのポジションをずらし、先発出場こそ少ないものの運動量豊富なレギロンを久保に充てている。
ただ久保は――開始早々シメオネの目の前で、そのレギロンを置き去りにするプレーを披露。呆然と見つめるしかできないシメオネの姿が、久保を追うファインダーの隅に映り込んでいた。さらに久保は、レギロンだけでなくカバーに入る守備陣をも翻弄し、好調ソシエダを印象付けていたが……。
ポツポツと降り始めた雨脚が強くなるのと並行して、アトレティコが試合のペースを握り始める。
1つの画角の中に、久保を追いかける3人目、4人目のアトレティコ選手が映り込むようになると、流石の久保も1人での突破は難しくなっていった。
また久保の前プレスにも冷静に最終ラインがプレーをすると、最前線から中盤まで自由に動くグリーズマン、ボランチの位置ではアルゼンチン代表MFのデパウルらが、ボールをキープした。そして37分、ソシエダとしてはややアンラッキーではあったが、グリーズマンのミドルシュートで失点をしてしまった。
後半に入っても久保には、徹底したマークが敷かれた。その中で、本来の輝きを発揮するまでには至らなかったが――ボールを奪われるシーンもほとんどなく、積極的に守備時にプレスバックする姿が目についた。