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「クボを無効化する」要警戒した闘将シメオネが久保建英の技に呆然…ソシエダCL確定にカメラマンが思い出した「クボはフィットするよ」
posted2023/06/01 11:04
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
試合終了の笛が鳴った時、この試合の結果としては不思議な光景が繰り広げられた。
1-2で負けたソシエダの面々が、敵地で喜びを爆発させていた。飛び跳ねるように円陣が組まれ、監督の胴上げも行われた。
大事なアトレティコとのアウェーマッチの撮影に訪れた
5月28日、久保建英所属のレアル・ソシエダは、アトレティコ・マドリーと対戦、敵地シビタス・メトロポリターノ・スタジアムを訪れた。
残すは2節、長いシーズンが終わろうとしている。
現在のソシエダにとって最大にして唯一の任務は、リーガ4位以上を決定付けることだった。正確に記すと、リーガ4位までに与えられる来季CL出場権獲得に全ての意思が収束していた。
アトレティコに2点をリードされた中、試合終了間際88分にセルロートが1点を返す。なんとか勝ち点1でも積み上げようと、最後までソシエダは反撃を試みたものの、試合はそのまま終了。勝ち点を得ることはできなかった。ただ同時刻開催されていた、直接のライバルであるビジャレアルの敗戦により、最終節を前にソシエダの4位が確定した。
この1試合の結果としてはいささか奇妙だが――長いシーズンの最後に勝ち得た結果への、正当な歓喜なのであった。
アトレティコとしてもこの試合の勝利によって、ソシエダよりも上位でのフィニッシュが確定した。それもあって、敵地で大きな喜びを示したソシエダに対しても現地サポーターからのブーイングなどもなく、両者幸せな結末となった。
敵地ながら“久保へのメッセージボード”が
この37節は、EL決勝を翌週中にセビージャが戦うため、対レアル・マドリー戦が土曜開催となったが、それ以外全ての試合が、他会場の結果に左右されないよう、日曜日19時からの同時開催となった。首都マドリードでは、アトレティコ対ソシエダ、ヘタフェ対オサスナ、ラージョ・バジェカーノ対ビジャレアル戦が行われている。
ソシエダはシルバ、サディクなど怪我でベンチ外のメンバーをも帯同しており、この試合の重要さが伝わってくる。アップ終わりに組まれた円陣では、通常より長い時間がかけられて気持ちを昂らせていた。またアトレティコのグリーズマンなどへのメッセージに混ざり、久保へのメッセージも見つけることができた。
両チーム入場に先立ち、前日に行われた女子国王杯決勝で優勝した女子チームがトロフィーのお披露目を行うと、スタンドからは大きな拍手が送られ、スペインでの女子サッカー人気の高まりを感じさせた。