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プロ野球PRESSBACK NUMBER
DeNA山崎康晃が初めて明かす母・ベリアさんの闘病秘話と守護神の誓い 余命宣告にショック「そこまでしなければ後悔する」と沖縄行きの飛行機に飛び乗って…
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2023/05/14 11:04
母のベリアさん(右)とDeNA山崎康晃。2015年3月、プロ初セーブのボールをプレゼント
「野球人生をどう終えるか」まで考え抜いて
今年10月に31歳になる。選手として脂の乗った時期ではあるが、契約を満了する6年後は30代後半だ。自らが野球人生をどう終えるのか、というところまで真剣に考え抜いた。
「今から引退の話をするのもどうかと思うんですけど、ユニフォームを脱ぐときにどうあるか、ということを三浦さん(大輔監督)の引退式を見たりして感じていたこともありました。僕もリリーバーでずっとやらせてもらっていて、あと10年できるかと言われたら難しいと思う。いつまでも応援される選手でありたいし、康晃ジャンプで成長させてもらって、横浜スタジアムで育ててもらったという感謝が一番にあったんです」
決断の背中を押したのは、母・ベリアさんとの思い出だったという。
「FA権を取得した時(21年9月)に、どうするべきなのかな、って相談したんです。母は『あなたがベイスターズのユニフォーム着てプレーしている姿が好き』と言ってくれていた。ベイスターズが大好きでしたから。その言葉を思い出したときに、これで間違っていないのかなって。それが決め手かな、最後は」
「自分が選んだ道を正解にしたい」
長いシーズンには必ず苦しい時期がある。抑えて当たり前、打たれれば批判の矢面に立つこともある難しいポジションだが、だからこそ山崎は最終回のマウンドを守ることに、強い気持ちを持ち続けている。
「勝つ時にマウンドにいるということは、チームのバトンを受け取ってゴールするということ。勝利の瞬間って、チームのみんなが報われる瞬間なんですよ。そこに味を占めているというか、楽しいしやりがいを感じています。調子が悪い時や打たれた時、SNSなどで批判の声もちゃんと見ます。しっかりと受け止めて、それを自分の強さに変える自信もある。逆に温かい言葉や応援は本当に励みになります。9回に投げている自分自身の可能性を信じているし、どこまでできるんだろうな、っていうことを追い求めていきたい。自分が選んだ道を、必ず正解にしたいと思っています」
忘れ得ぬ母の優しい面影に誓う、守護神の決意だ。
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