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優勝と準優勝は、何もかもが全く違う。
浦和のACL制覇が教えてくれること。
posted2017/11/27 11:30
text by
轡田哲朗Tetsuro Kutsuwada
photograph by
AFLO
西川周作がピッチに倒れ込み、阿部勇樹は目に涙を浮かべ、普段はシャイな興梠慎三や青木拓矢まで飛び跳ねて喜びをあらわにした。
25日の埼玉スタジアムで行われた決勝の第2戦でアルヒラルに1-0で勝利し、2戦トータルスコアは2-1だ。浦和レッズは、2007年以来10年ぶりにAFCチャンピオンズリーグ(ACL)を制し、アジアチャンピオンになった。
堀孝史監督は、18日にアウェーで1-1の引き分けに持ち込んだゲームを踏まえ、4-4-2でスタートする決断を下していた。その試合の前半で、特に浦和の左サイドに向けた大きなサイドチェンジで多くのピンチを招いたが、後半はこのシステムに修正する形で安定させていた。
それを踏まえ、普段はインサイドハーフの長澤和輝を興梠と並ぶ2トップの位置に上げた。その狙いを堀監督はこう話した。
「前回、左サイドをやられたと言われるんですが、全体の戦い方の部分で、ボールへの規制が緩かった結果のひずみがそこに出ていたのだと捉えていました。今日は、出所を抑えることを意識していました」
その言葉の通り、浦和は立ち上がりからハイプレスを敢行した。ボールポゼッションこそ狙いほどは上げられなかったが、相手のボールホルダーがフリーになってしまうような場面はかなり少なかった。
狙い通りの展開と、狙い通りの勝利。
最後方に構える西川が「初戦で相手の力を把握できたなと思っていますし、前から(プレスに)いって相手を困らせる。1対1で負けないということを徹底して、うまく試合を運べたと思います」と話したように、ボール際でタイトに戦い続けた。
そして、1点を奪うために焦りを見せて退場者まで出した相手に対し、後半43分にFWラファエル・シルバが背後に抜け出してゴール。まさに狙い通りの展開と、狙い通りの勝利を奪い取った。