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エンゼルス番記者は見た! 大谷翔平はなぜ愛されるのか? 仲良しサンドバルに辛口ジョークも…「トラウトには“ちょっかい”をかけない」
text by
柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byYukihito Taguchi
posted2023/04/29 17:01
ホームランを放ちエンゼルスのチームメイトから兜セレブレーションを受ける大谷翔平
トラウトには”ちょっかい”をかけない
大谷が入団した'18年からエンゼルスに在籍する選手は今季開幕時点でマイク・トラウト、ハイメ・バリア、フレッチャー、テイラー・ウォードの4人。特にWBC決勝の9回に大谷と名勝負を演じた米国代表主将のトラウトとは、互いにリスペクトしていることが感じられる。大谷は今や「メジャーの顔」と表現していいが、トラウトにもMVP3度受賞のプライドがある。普段、大谷からトラウトに“ちょっかい”をかけることはなく、トラウトもキャンプ中に大谷の打撃練習をケージ裏から熱心に見つめていた。今季終了後にFAになる大谷について、トラウトは「長年にわたっていい関係を築いている。本人の気持ち次第だが、彼が残るために何でもする」と残留を熱望。大谷の'17年オフのメジャー挑戦時にはテレビ電話でラブコールを送り、入団に一役買ったトラウトがどう動くか。二人の関係は興味深い。
【2】上司:監督とも忌憚なく意見交換
大谷はエンゼルス入団後、4人の監督の下でプレーしてきた。マイク・ソーシア氏、ブラッド・オースマス氏、ジョー・マドン氏、そして、現在のフィル・ネビン監督だ。口数こそ多くない大谷だが、特にネビン監督とは良好な関係を築いている。まだネビンが三塁コーチだった'22年4月17日のレンジャーズ戦。ベンチで大谷にファウルボールが当たりそうになった時、ネビンコーチが「ファウルボールは一番不細工なやつのところにいく」と言うと、その後にネビンコーチの方にファウルボールが飛んで、大谷は「あなたの言っていることは本当でしたね」と英語で返していた。
監督になった今もその関係性は変わらない。'23年4月12日のナショナルズ戦。大谷が2勝目を挙げた登板翌日、代打待機したものの出番がなく、今季初の欠場となった時のことだ。前夜にネビン監督は大谷に「ちょうどいいタイミングだ」と伝えた。
「翔平が反対意見を述べるときもあるが、私にとってはそれも問題ない。今回は100%同意してくれた」(ネビン監督)
通常、指揮官の指示は絶対だが、二人は忌憚なく意見交換ができる。翌13日は試合がなく、大谷はこの積極的休養で「2連休」となり、同14日から怒濤の17連戦に向かうことができた。
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