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千賀滉大“1メートル以上落ちる”魔球はなぜ生まれた? 体調悪化→二軍落ちの10年前…「投げたらストン」お化けフォークの“発明秘話” 

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田尻耕太郎

田尻耕太郎Kotaro Tajiri

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posted2023/04/21 11:00

千賀滉大“1メートル以上落ちる”魔球はなぜ生まれた? 体調悪化→二軍落ちの10年前…「投げたらストン」お化けフォークの“発明秘話”<Number Web> photograph by JIJI PRESS

千賀滉大“1メートル以上落ちる”魔球はなぜ生まれたのか? ホークス記者が“お化けフォークの秘密”を明かした

 渡米前から用意していたものだが、大きくクローズアップされたのはデビュー戦だ。5回3分の1を3安打1失点でメジャー初勝利。そして8奪三振をマークした。60年を超えるメッツの歴史でデビュー戦での奪三振数「8」は歴代3位タイで、さらに決め球のすべてが「お化けフォーク」だったのだ。

 それもあって、試合を中継した地元放送局SNYが、千賀のグラブを紹介。球団地元紙ニューヨークポスト(電子版)も「ゼット社が製作したスペシャルな青いグラブは、お化けが『トライデント』のようなフォークを持っている姿が刺しゅうされている」と伝えた。トライデントとは三つ股のやりのことだ。

 お化けフォークフィーバーはさらに熱を帯びる。

 8日(日本時間9日)は本拠地シティフィールドで初登板。6回3安打1失点、6奪三振の好投で5-2の勝利に貢献し自身2連勝を飾ったこの試合で、千賀が三振を奪うたびにシティフィールドの巨大な電光掲示板に表示されたのは、ゴーストのアニメーションがフォークを手にふわふわ漂う映像だった。粋な演出にニューヨークのファンも大喜びだったようで、厳しいとされるニューヨークのメディアにも、目の肥えた米国の野球ファンにも早々に認められる投手となった。

「お化けフォーク」はいかに生まれた?

 全米を席巻し、米国では「ゴースト・フォーク」とも称されるこの“魔球”。

 一体、どのようにして誕生したのか。

 かつて、千賀に「お化けフォーク誕生秘話」を訊ねたことがある。

 最初にフォークボールを投げ始めたのは高校生の頃だったという。「雑誌に載っていた、当時ホークスにいたファルケンボーグの握りを真似したんです」。ファルケンボーグが投げていたのはフォークというよりスプリットだ。それについても千賀はこのように話していた。

【次ページ】 体調を崩して二軍行き…“発明秘話”

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