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千賀滉大“1メートル以上落ちる”魔球はなぜ生まれた? 体調悪化→二軍落ちの10年前…「投げたらストン」お化けフォークの“発明秘話”
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byJIJI PRESS
posted2023/04/21 11:00
千賀滉大“1メートル以上落ちる”魔球はなぜ生まれたのか? ホークス記者が“お化けフォークの秘密”を明かした
最大落差「107センチ」
縦にストンと落ちる。米球界では野球の数値化が公開されるのが一般的で、2勝目を挙げた本拠地初登板の試合では最大落差42インチ(約107センチ)のお化けフォークで空振り三振を奪ったという。
魔球が誕生した10年前。あの時はメジャーリーガーとして世界中の野球ファンを驚かせる未来が待っているとは、誰も想像していなかったはずだ。
早くもメジャーを席巻しているお化けフォークだが、おそらく千賀はそれだけに頼るピッチングはしないはずだ。相手から研究されることはもちろん織り込み済みだし、なにより2017年頃には「本当の理想を追いかけるならば、お化けフォークなんて投げたくない」などと語ったこともあった。
「自分が思い描く完璧な真っ直ぐが投げられれば、ピッチングに変化球なんて要らないんです。スピードもキレもコントロールも思いのままに操れれば、外角だけで100%抑えられる。ピッチャーは全員そう思ってますよ」
より高いレベルを追求し続けているストレートは日本時代に最速164キロをマークしている。「いつまでも同じ抑え方じゃ面白くない」とシンカーなど新球種も操るようになっている。
育成入団からチームのエースとなり、球界を代表する投手へ、そしてメジャーリーガーに。千賀の出世物語はまだ終わりそうにない。
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