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先発・千賀滉大は5回に急きょブルペンへ…3連勝を阻んだ“メジャーの洗礼”、ニコリともせず口にした「こういう失敗をしないように…」
posted2023/04/20 11:01
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Getty Images
チームが大勝しても、試合後のメッツ千賀滉大はニコリともしなかった。
4月14日、敵地オークランドコロシアムでのアスレチックス戦。一方的な展開で、メッツが大量リードを奪ったことで、寒風が吹き付ける中での待機時間が長引き、千賀は体調面だけでなく、集中力を維持することに腐心していた。
先発・千賀が急きょブルペンへ
メジャーではベンチ前でのキャッチボールが禁止されている一方、オークランドコロシアムではベンチ裏に室内打撃ケージのような、体を動かすスペースもない。やむにやまれず、打者11人の猛攻となった5回表の攻撃中には、急きょブルペンへ向かい、キャッチボールを繰り返すなど、可能な限りの備えを進めた。それでも、12-3と9点リードで迎えた5回裏2死からソロ本塁打を浴び、さらに四球を与えたところで交代を告げられた。開幕3連勝の権利を得るまで「あと1アウト」。96球での降板は、日本では「非情」に映っても、メジャーでは常識の範囲内であることを、千賀はあらためて実感した。
「自分が、もっとしっかりとゲームに入って集中して、こういう試合の中でも自分の投球ができれば、もっと変わったものが出たんじゃないかと思います。とにかく、こういう失敗をしないように頑張りたいと思います」
メジャー公式戦初登板は「体がすごくヒート」
まるで敗戦投手のような言葉に、偽りはなかった。