実はトッテナム戦で足を踏まれた後、三笘はその足を抱えるようにして転倒した。そして倒れ込んだまま手を上げ、足を踏まれたと訴えていた。大げさに振る舞う選手でないのは分かっているので、取材しているこちらとしては「怪我か」と非常に不安になった。だがVARが介入することもなく試合は続行──。三笘に大きな怪我がなかったのは救いだが、誤審であったのはその後のリプレーでも明らかだった。

　チームの勝利のため、三笘はファウルで倒されたときは最大限のアピールをする。だが、試合が終われば不満を漏らすことなく気持ちを切り替える。自分がコントロールできないことには意識を向けようとせず、気持ちが整理されているようだった。それが、今回の誤審騒動で見せた三笘の姿だった。

　理不尽な誤審だったとはいえ、トッテナム戦の敗戦は確かに痛い。だが勝利を飾ったチェルシー戦後、三笘は自分に言い聞かせるようにこう話した。

「（今回のチェルシー戦を入れて）10試合あるなか、勝ち点30を取れる可能性もある。（CL出場を）全然諦めてないです。今日、そのひとつ目で勝ったというのはすごくポジティブなことだと思います」

　目指すは、残り試合での全勝。現在4位で消化試合がひとつ多いニューカッスルとは、7ポイント差だ。もちろん三笘は、来季のCL出場をまだ諦めてはいない。

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