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三笘薫25歳、最悪の“誤審謝罪”への本音は?「いや、なんにも…」現地記者もホメるミトマの人間性…日本の高校生へ“神対応”も「刺激を与えたい」
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byAFLO
posted2023/04/18 20:00
逆転勝ち(2-1)したチェルシー戦で笑顔を見せた三笘薫25歳。写真はウェルベックの1点目でエンシソと喜ぶ姿
「認められて良かったですけど、(敗戦の結果は)変わらないので。全然そこは気にしてなかったです。(記者:チームの雰囲気として、謝罪をどう受け止めていたか) いや、なんにもディスカッションはしていないです。選手も、みんな情報を見ただけだと思います」
三笘によれば、PGMOLから本人に対し謝罪の連絡などはなかったという。トッテナム戦後に「切り替えて次のチェルシー戦に勝ちたい」と語っていた通り、三笘とチームはこの試合に向けて集中し、勝利の結果を掴んだのだ。
スーパーゴール“未遂”「非常にそこは楽でした」
試合で三笘は、立ち上がりから積極果敢に仕掛けた。最近の試合を振り返ると、戦況や相手の出方に応じて「突破」と「ボールキープ」のバランスを取りながらプレーすることが多い。特に、活躍が増えるにつれて相手のマークが厳しくなったあたりから、ポゼッションや周囲を活かす動きに比重を置くようになった。だがこのチェルシー戦で、三笘は序盤からフルスロットルで仕掛けた。
チェルシーが採用したのは4−3−3。三笘とマッチアップしたのは、右SBに入ったトレヴォ・チャロバーだった。実は昨年10月29日にブライトンのホームで行われた一戦でも、日本代表アタッカーはこのチャロバーと対戦している。三笘は彼の癖や特徴が分かっていたとし、次のように言葉を続けた。
「チャロバーはもともとセンターバックですが、サイドバックをやっていた。裏に抜けられたくない意識が強いのか、自分と結構距離を取ってきた。自分としては簡単にボールを受け、ドリブルで考えながらプレーできたので、非常にそこは楽でした。(チャロバーは)前回のホームゲームでもやっているので、大体特徴も分かってました。あまり飛び込んでこないところもありましたし、しっかりと試合を見ながらプレーできました」
三笘は緩急をつけたドリブルでチャロバーを翻弄し、サイドからチャンスの山を築いた。圧巻は前半26分のプレー。左サイドでボールを受けると、ドリブルで敵を2人交わしてシュート。GKのファインセーブに阻まれたが、決まっていればスーパーゴールだった。
三笘が明かした「体力的に厳しかった」
試合も、ブライトンがチェルシーを圧倒した。前半13分に先制点を許したが、ボールを保持しながらテンポ良く縦パスを入れ、チェルシーゴールに襲いかかった。
対するチェルシーはスター選手が数多く揃っているとはいえ、チームとして体をなしておらず、組織的な崩しがほとんどできなかった。それでも三笘は、試合の3日前にチェルシーがスペインでCLのレアル・マドリー戦をこなした影響は大きいとし、手強い相手だったと話した。