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三笘薫25歳を愛する監督、デゼルビとは何者か?「現役時代は左利きのファンタジスタ」「面倒くさい選手でケンカも多かった」日本人が知らないデゼルビの正体 

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ルカ・ビアンキン/ガゼッタ・デッロ・スポルト

ルカ・ビアンキン/ガゼッタ・デッロ・スポルトLuca Bianchin / La Gazzetta dello Sport

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posted2023/04/16 11:02

三笘薫25歳を愛する監督、デゼルビとは何者か?「現役時代は左利きのファンタジスタ」「面倒くさい選手でケンカも多かった」日本人が知らないデゼルビの正体<Number Web> photograph by AFLO

昨年9月、シーズン途中でブライトン監督になったデゼルビは三笘薫を積極的に起用。イングランドでも注目される敏腕指揮官とは何者なのか?

 それは「このスタイルの味を忘れるな」というもので、そのフレーズを面白がったイタリアのテレビ局によって国内のカルチョファンの間に広まった。デゼルビの「スタイルの味」とは、彼がコベルチャーノの監督養成アカデミーで書いた論文のテーマに付随する──『私的ゲームモデル』と。

 つまり、デゼルビには揺るぎないカルチョ観がある。「現役時代はめんどくさい選手だったよ」と自認するように、ファンタジスタ受難の時代に左利きのスキルフルなナンバー10を貫き、選手として大成することはなかったが、美学を磨いた。現役生活の晩年の2010年から2年間を過ごしたルーマニアのCFRクルージュで、グアルディオラのバルセロナやジョゼ・モウリーニョのインテル・ミラノなど、当時のトップチームの試合を毎晩のように観るようになり、本格的に指導に興味を抱き始めたという。ただし誰かの真似をするのではなく、様々な側面を自分なりに解釈し、自身が信じる方法論を確立していった。

言い争いも多いが、仲間も多いタイプ「妥協を許さない」

 そんなオリジナリティと気概に溢れるカルチャトーレは、敵も味方も作る。ミランの下部組織生だった頃には股抜きをしてアレッサンドロ・コスタクルタの逆鱗に触れ、激しく削られた。現役時代に期限付きでプレーしたレッコではロベルト・ドナドーニ監督と仲違いし、今から7年前に指揮したフォッジャでは敵将ジェンナーロ・ガットゥーゾと激しく言い争い、今の職場では反目したレアンドロ・トロサールをアーセナルに放出した。

 だが一方で、サッスオーロで長年にわたって主将を務めたフランチェスコ・マニャネッリのように、デゼルビに心酔する選手も多い。昨年7月に現役を退いたMFは言う。

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