「私にとっては、理想的な監督だった。カルチョが時代に取り残されていないと感じさせてくれる数少ない指導者だ。彼は自身の望みをはっきりと認識し、妥協を許さず、準備に余念がない」

　またサッスオーロのジョバンニ・カルネバーリCEOのように、ピュアで熱く、固い信念を持つRDZに惚れ込み、クラブのプロジェクトをすっかり任せたフロントもいる。

「サッスオーロは良いプレーをして、欧州カップ戦の出場権を手にしたいと考えている」とカルネバーリはデゼルビと共に働いていた頃に言った。「このミッションを遂行するために、デゼルビほど適した指揮官はいない」

1月末のFAカップ・リバプール戦、後半アディショナルタイムにスーパーゴールを決めた三笘をハグするデゼルビ監督　©Getty Images

　きっとブライトンのオーナー、トニー・ブルームも同じように彼を信頼しているはずだ。プロのギャンブラーとして財を成し、心のクラブを買収した異色の経営者は、異端の指揮官に親近感を持っていても不思議ではない。選手補強などについて、「トニーとよく話している」とデゼルビが何度も明かしているように。

　今季すでにリバプールとチェルシーを2度ずつ、アーセナルを1度下しているブライトン。その斬新な手法は、モダンフットボールの最新の回答かもしれないとも言われ始めている。イタリアや日本はもちろん、フットボール発祥地イングランドのファンや識者も、デゼルビのブライトンに益々注目しているようだ。

＜続く＞

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