「きっと他の人たちは、『コイツ、ウェイト場でなにもせずになにをしているのだろう』と怪しんだと思います。結構、やべぇヤツと思われていたかもしれません（笑）。それくらいずっとウェイト場で皆さんの動きや会話をニヤニヤしながら見聞きしていました。会話は本当に盗み聞きといっていいレベル。ダルビッシュさんと大谷（翔平）さんがトレーニングの話をしている時は、より聞き耳を立てて聞いていました。もちろん、内容は教えられませんが、ボクにとってとても興味深い話でした」

　種市は至福の日々を嬉しそうに振り返る。気が付けば、侍ジャパンに帯同した2日間でノートは数十ページ、ギッシリと書き込みで埋まっていた。

「本当に勉強になりました。自分にとって宝です。今すぐできること、将来できること、色々ありますし、このことはマリーンズに戻っても還元したいと思っている」

ダルや大谷と同じ“好奇心の塊”

　この姿を侍ジャパンで投手コーチを務めたマリーンズ吉井理人監督も嬉しそうに見つめていた。

「種市は超一流のプロフェッショナルな選手たちを目の前で見て、すごく影響をうけているようだった。本当に目を輝かせていた。あの貪欲な姿勢は大事だし、よかった。ダルビッシュも大谷も向上心、好奇心の塊のような感じ。種市にもそれがある。きっと彼は侍ジャパンでの2日間を大きな財産に変えると思う。本当に楽しみ」

　侍ジャパンの一員として7日のオリックス・バファローズ戦に先発し、4回を無安打無失点に抑える好投を披露した。

「地に足が付いていない感覚に近かった。凄いメンバーをバックにして、こんな緊張感の中で、大人数の中で投げられたのは本当に感謝しています」

　日本代表として戦う独特の空気を味わえたことは大きなプラスになった。

3月7日、オリックスとの壮行試合に先発した種市。2017年、八戸工大第一高からドラフト6位でロッテ入団　©︎Naoya Sanuki

　この時、種市が付けていた背番号は「41」。空いている番号は沢山あり、好きな番号を選択可能だった中で選んだ。

「千賀（滉大）さんの番号。意識して付けました。単純にカッコいいですしね」

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