酒の肴に野球の記録BACK NUMBER

「大谷翔平はエンゼルスでも二刀流で主軸だけど…」ヌートバーや吉田正尚、ダルってどんな立場?“侍MLB勢・各チームでの役割”を知る 

text by

広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

PROFILE

photograph byNaoya Sanuki

posted2023/03/28 17:00

「大谷翔平はエンゼルスでも二刀流で主軸だけど…」ヌートバーや吉田正尚、ダルってどんな立場?“侍MLB勢・各チームでの役割”を知る<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

WBCで日本中を沸かせた大谷翔平とヌートバー。吉田正尚とダルビッシュ有を含めたMLB勢は所属チームでどんな役割になる?

 昨年、サイ・ヤング賞投票で4位となった大谷だが、ローテに強力な新戦力が加わった。33歳のアンダーソンだ。昨年ドジャースで15勝、安定感抜群の左腕である。MLBを代表するパワーピッチャーである大谷とは対照的に、打たせて取る技巧派。奪三振数を見れば両者の投球スタイルの違いがはっきり見て取れる。

 サンドバルはメキシコ代表としてWBC準決勝で佐々木朗希と投げ合ったのが記憶に新しい。昨シーズン後半から成績がしり上がりに向上した。昨年エンゼルスで8勝を挙げたマイケル・ローレンツェンがタイガースに移籍したので、デトマーズ、スアレスも含め、エンゼルスのローテ5人の内4人が左腕になった。

打者大谷:前にトラウト、実は後ろも強打者が加入

〈打線〉
1.(遊)ルイス・レンヒーフォ(26歳/W)17本52点6盗.264
2.(中)マイク・トラウト(31歳/W)40本80点1盗.283
3.(指)大谷翔平(28歳/W)34本95点11盗.273
4.(三)アンソニー・レンドーン(32歳)5本24点2盗.229
5.(右)ハンター・レンフロー(31歳)29本72点1盗.255※
6.(二)デビッド・フレッチャー(28歳/W)2本17点1盗.255
7.(左)テイラー・ウォード(29歳)23本65点5盗.281
8.(一)ジャレッド・ウォルシュ(29歳)15本44点2盗.215
9.(捕)マックス・スタッシ(32歳)9本30点0盗 .180

 スタメンにWBC代表選手が4人いる。

 レンヒーフォはベネズエラ代表として3試合に出場した。アメリカ代表トラウトと日本代表大谷の世界一をかけた大勝負は球史に残るだろう。4番のレンドーンは7年総額2億4500万ドルの巨額契約をしながらここ3年期待を裏切っている。勝負の年となる。

 そして5番にはブルワーズの主軸を打っていたレンフローがやってきた。強肩の右翼手でもあり投手・大谷も助けられるはずだ。

 WBC準々決勝で日本はイタリアと対戦して、そのイタリアの9番がデビッド・フレッチャーだった。大谷とは同い年でメジャーデビューも同じ2018年。準々決勝では大谷から右前打を打った。

 しかし今季のフレッチャーはよほど頑張らないとレギュラーはおぼつかない。昨年、ナ・リーグのユーティリティプレイヤー部門でシルバースラッガー賞を受賞したブランドン・ドルーリー(30歳2チームで28本87点2盗.263)が入団、さらに駿足内野手のアンドリュー・ベラスケス(28歳9本28点17盗.196)も控えているからだ。

 このオーダーを見てもわかるように、今季のエンゼルスは投打で強力な補強をした。救援陣の奮闘、レンドーンやトラウトがフルに活躍することが前提ではあるにせよ、大谷の念願であるワールドシリーズ出場も不可能ではないだろう。

【次ページ】 吉田とヌートバーに託される役割って?

BACK 1 2 3 4 NEXT
ダルビッシュ有
サンディエゴ・パドレス
大谷翔平
ロサンゼルス・エンゼルス
吉田正尚
ボストン・レッドソックス
ラーズ・ヌートバー
セントルイス・カージナルス

MLBの前後の記事

ページトップ