野手とも積極的に会話する理由

　そういえば今永は、プレミア12のとき投手ばかりでなく野手ともコミュニケーションを取り、インプットに努めたという。その真意を尋ねると今永は次のように答えてくれた。

「垣根を越えてレベルアップができたらって思ったんですよ。僕は、山田（哲人）さんや鈴木（誠也）さん、曾澤（翼）さんにいろんな話を聞いたんですけど、その話をうちのチームの打者に話したら興味を持ってくれるかもしれないし、繋がりができるかもしれないって。曾澤さんからは配球の話も聞くことができて、もし悩んでいる選手がいたらアドバイスできる可能性がありますからね」

©Naoya Sanuki

国際試合防御率0.60の“ハマのエース”

　自分のことばかりではなく帰ったときに、いかにしてこの経験をチームに還元することができるのか。今永はそこまで考えて行動できる男だ。果たしてWBCの日々をどのように感じながら過ごし、なにを得て帰ってくるのか。今永の口から聞ける日が今から楽しみだ。

準決勝前日の今永。大一番でのリリーフ登板にも期待がかかる　©Naoya Sanuki

　いよいよWBCは佳境へと突入する。すでに2試合投げている今永の登板があるかどうかは、まだわからない。しかし今永にとって今回のWBCは3大会ぶりの王座奪還に貢献すると同時に、以前から興味を示しているMLBへのショーケースでもある。アメリカの地において、一線級の強打者を相手に日本が誇るサウスポーである今永がどんなピッチングをするのか興味は尽きない。これまで国際試合で9試合を投げ防御率0.60の“ハマのエース”の輝きを、ぜひ世界に示してもらいたいものである。

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