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今永昇太29歳はなぜWBCリリーフ“転向”を苦にしないのか? 本人が明かしていた「僕の場合、投げるという意味であまり大きな差はない」 

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph byNaoya Sanuki

posted2023/03/20 17:22

今永昇太29歳はなぜWBCリリーフ“転向”を苦にしないのか? 本人が明かしていた「僕の場合、投げるという意味であまり大きな差はない」<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の韓国戦に続きイタリア戦でも好リリーフを見せた今永。国際試合に強い左腕に準決勝以降も注目だ

「スピン量が多いと空振りを取れることはもちろん、ベース盤の上で球の強さを感じられるのでファウルを取ることもできます。だからピッチャー有利のカウントで勝負しやすいですよね。困っても基本、真っすぐで押し切れる。また今永の場合は、真っすぐの軌道で曲がったり落ちたりする変化球が多いので、真っすぐを意識してくれればくれるほど、有利に働きますね」

キャリア15年ぐらいのベテランに見える

 昨年、11月9日に開催された『侍ジャパンシリーズ2022』のオーストラリア戦で今永は4イニングを投げ10奪三振、このWBCでも2試合4イニングを投げ5奪三振。今永自身、決して三振を取ることを前提としてピッチングをしているわけではないが、奪三振能力の高い今永がブルペンで控えているのは、侍ジャパンにとって大きなアドバンテージだといっていいだろう。

 さて今回の侍ジャパンの投手陣は、ダルビッシュを中心にコミュニケーションが取れており、まとまっている印象だが、36歳のダルビッシュに次ぐ年長者である29歳の今永もきっと一役買っているはずだ。互いに変化球について話し合う山本由伸との交流は有名であり、実績はもちろん“コミュ力”の高い今永は、若い投手たちからアドバイスを求められるなど慕われる存在だ。DeNAのクローザーであり、かつて共にプレミア12に参戦した、ひとつ年上の山﨑康晃は、今永の存在感について次のように語る。

「うちのチームの投手陣は雰囲気がいいって言われますけど、これはもう昇太のおかげですよ。後輩にいじられ、先輩をいじり、チームをまとめ、ピッチングも含め投手陣を引っ張ってくれる。やっぱり昇太がキーマンですよ。後輩ですけど、もうキャリア15年ぐらいのベテランに見えるときがありますからね」

 そう言って山﨑が笑うと、すぐ横で聞いていた今永は「おいおい」と、突っ込みを入れるのだ。

【次ページ】 野手とも積極的に会話する理由

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