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今永昇太29歳はなぜWBCリリーフ“転向”を苦にしないのか? 本人が明かしていた「僕の場合、投げるという意味であまり大きな差はない」
posted2023/03/20 17:22
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph by
Naoya Sanuki
横浜DeNAベイスターズの今永昇太は、WBC侍ジャパンのメンバーとして、アメリカの地で今なにを頭の中で反芻しているだろうか。
2019年11月に開催された第2回プレミア12に参戦し、メキシコ戦で6回1失点と好投をしたときの今永の言葉を思い出す。
「負けられない試合で登板させてもらってある程度仕事はできたと思います。緊張感のある試合で自分のパフォーマンスが出せた成功体験は、今後の自分に自信を与えてくれると思いますね」
韓国戦、イタリア戦で好投
あれから約3年、頼れる左腕・今永は、自信あふれる投球で侍ジャパンを支えている。第2戦の韓国戦は先発のダルビッシュ有の後を受けて1失点したものの3イニングを好投し、準々決勝のイタリア戦では3番手で1イニング2奪三振と要所を締めるピッチングを見せてくれた。
自己最速タイの154キロを記録した常時150キロを超えるストレートに加え、真っすぐと同じ軌道から左右に割れるスライダーとチェンジアップのコンビネーション。今永は韓国戦後、「中盤だったので、流れを持って来られるようなピッチングができればいいなと思いマウンドに上がりました」と役割を終え、安堵の表情を見せていた。
リリーフにネガティブなイメージなし
与えられた務めは、球数制限のある先発を支える“第2先発”。普段チームで先発を務め、頭から試合を作っていく投手からすれば、ゲームの途中から入っていくのは難しいというが、今永は早い時点で割り切っていた。
「(先発候補は)錚々たるメンバーですし、任されたところで自分のパフォーマンスを出すことに集中したい」
そもそも今永は試合の途中からマウンドに立つことにネガティブなイメージを持っていない。昨年はノーヒットノーランを達成するなど先発として圧倒的な技量を持っているが、2017年にはチーム事情によりクライマックスシリーズ(CS)で初めてリリーフとして投げ2イニング無失点で抑えると、2019年のCSでも2試合を投げ1失点で終えている。
僕の場合、先発というのは…
今永は途中からゲームに入ることについて以前、次のように語っている。