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アメリカ人関係者がWBCで“一番見たい”日本人選手は?「彼はオオタニに次ぐ日本の逸材だ」「将来メジャーに来る」米国記者は侍ジャパンをこう報じた
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byKYODO
posted2023/03/15 11:04
侍ジャパンの練習で佐々木朗希(左)と一緒に笑顔を見せる大谷翔平
かつて、エンゼルスのジェネラルマネージャー(GM)としてトラウトをドラフトしたのがトニー・リーギンス。そして今大会、彼がアメリカチームのGMを務めていることもあり、去年の7月の時点からトラウトに声をかけていたというのだ。トラウトが参加を表明してから、ビッグネームが続いた。
「ノーラン・アレナド(10回のゴールドグラブ受賞者)は私の携帯の番号を調べてわざわざ『出たい』と連絡してくれたし、程なくしてポール・ゴールドシュミット(共にカージナルス/つまり、ヌートバーの同僚)も参加を表明してくれた」
とリーギンス氏は振り返る。
「トラウト効果」によって野手はオールスターの陣容だ。ドジャースの看板選手であるムーキー・ベッツ、首位打者経験者のティム・アンダーソン(ホワイトソックス)、本塁打王経験者のピート・アロンソ(メッツ)と豪華な布陣だ。
他球団の選手からの尊敬を集めるトラウトが、今回のチームの核であるのは間違いない(ちなみにコロナ禍前、アナハイムのクラブハウスで丁寧にインタビューに応えてくれたトラウトのことを、私も尊敬している)。
反対に、記事では投手陣には大きな不安を抱えると指摘されている。37歳でメンバーに入っているダニエル・バード(ロッキーズ)は、こんな事情を明かしている。
「メジャーリーグの経験が5年以内の選手たちは、まだ経済的に基盤が保証されていないから、リスクを取りたくないわけだ。その気持ちはよく分かる」
たしかにアメリカの投手陣は30代の選手が多く、イキのいい若手が少ない。その背景には契約に対する不安があるというのは、日本ではなかなか報道されない。
投手陣への不安は、メキシコ戦で5対11と敗れたことで現実のものとなってしまったが、カナダ戦では12対1で圧勝。
さて、キャプテンアメリカに率いられたアメリカと日本が対決する日は来るのか?
以上、外電から興味深い記事をご紹介させていただきました。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。