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英国サポーターの間で“三笘薫Tシャツ”が売れている「ミトマがブライトンにいて幸運だよ」デゼルビ監督が珍しく“キレた”日に三笘が反省したこと
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byAFLO
posted2023/03/14 20:10
リーズ戦、マクアリステルの先制ヘディングゴールを見事アシストした三笘薫(25歳)
「相手が止まってボールを見ていましたし、中でスペースもありましたし。なかなか縦に行くところがなかったので、『ここかな』と思ってました」
そのほかでも、右足のアウトサイドでクロスを入れてマクアリステルの決定機を作ったり(前半43分)、逆方向へ一度フェイントを入れてからエイリングをスピードで抜き去ったりと(後半40分)、ブライトン攻撃陣を牽引し続けた。プレミアリーグ公式サイトが三笘をMOMに選出したのも納得のパフォーマンスだった。
だが試合後、三笘から出てきたのは反省の言葉だった。「ゴールに絡めたのは良かったですけど、他のところで脅威になれたかというと、そうではないので。そこは悔やんでいます」と振り返る。
最近の三笘は、前半にドリブル突破をセーブし、相手の疲れてくる後半から仕掛け始めることが多い。この日も似たような流れのように見えたが、三笘は「ボールを受けようとしていたが、なかなか(パスが)出てこなかった。特に前半は(逆の)右サイドが中心になっていた。だからそういった展開になっただけ」と言う。むしろ「サイドバックの裏を狙いにいくところ」は始めから意識していたそうだ。
それだけに試合後、口をついて出たのはもっと積極的にいけばよかったという自戒の念だった。
特にシュートに関しては、もっと打てばよかったという気持ちが強かったという。
「左サイドから、もっと自分から行っていいところもありましたし、人数をかけてもいいところもありました。
シュートまで打ち切っても良いところは何度かありましたし。駆け引きするうえで、もう1回切り返して(シュートを打ってもいい)というシーンもありましたし。やっぱり1本シュートを打つことで、相手の対応も変わってくるので。そこはもっとやっていく必要がある」
「ミトマのファンです。彼がいてくれて幸運です」
こうした本人の反省の言葉とは裏腹に、ブライトンで三笘の人気はさらに高まっている。
イギリスのサッカーオンラインショップでは、三笘をモチーフにしたTシャツの販売が始まった。筑波大学でドリブルを卒論のテーマにした三笘のイラストがバックにあしらわれ、胸には「ドリブル論文」の文字も。三笘人気のおかげで、売れ行きも好調だという。