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侍ジャパンPRESSBACK NUMBER
「今の日本は組織力が弱いと感じる」ソフトバンク元参謀役の80歳が語る韓国野球の違いとは? WBC日韓戦で警戒すべき選手も明かす
posted2023/02/27 17:01
text by
キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph by
JIJI PRESS
前編ではWBC日本代表メンバーの戦力を分析してくれた金星根(キム・ソングン)氏。後編では過去の経験をもとに、韓国のリアル戦力と日本野球の変化を語っている。
今回のWBC韓国代表の中でもっともよく知られているのは、左腕キム・グァンヒョン(34歳)だろう。15年前の北京五輪では予選と準決勝で対戦した日本戦で先発し、どちらも勝利したことから、“日本キラー”と呼ばれた。2020年から2シーズンをMLBカージナルスで過ごし、22年から韓国プロ野球界に復帰。SSGランダースで13勝を挙げる活躍で韓国シリーズ優勝に貢献している。
「キム・グァンヒョンがどこで先発になるのかは注目すべきところですが、日本には球種などをよく知られている分、使いにくいところがある。実績と実力は申し分ないが、彼は初戦のオーストラリア戦に回した方がいいでしょう。(前編で)前述したように日本は“初対面のピッチャー”に弱い傾向がある。韓国としては情報が限られる投手をうまく継投して日本打線を封じ込めたいところ。戦力に実力差はあったとしても、いい戦いはできると思います」
「チェ・ジマン不在は大きい」
一方、野手陣は日本に比べて見劣りする印象だ。今回の韓国代表にMLB所属選手はパドレスの内野手キム・ハソン、21年にゴールドグラブ賞を獲得したカージナルスのトミー・エドマンの2名しかいない。当初はメンバー入りが予定されていたパイレーツ内野手で“大砲”のチェ・ジマンは昨年11月に肘の手術をしており、チームが反対意思を表明したことでやむなく辞退となった。昨季レイズで113試合に出場して打率こそ高くなかったが、52打点、11本塁打という成績を残しており、金氏も「チェ・ジマンが抜けたのは大きい」と嘆く。
「チェ・ジマンの不在によって打線が大きく変わります。そこで個人的に期待したいのは、キャッチャーのヤン・ウィジ(斗山)と外野手のイ・ジョンフ(キウム)。彼らの打順がどうなるか。ヤンは6番くらい、イは1番か2番が理想でしょう」
ヤン・ウィジは35歳のベテラン。17年WBCの他にも15年と19年のプレミア12、21年の東京五輪に出場と経験値の高さでチームをリードできる存在だ。24歳のイ・ジョンフは元中日ドラゴンズのイ・ジョンボム氏を父にもち、昨季は韓国リーグの2年連続の首位打者と打点王の2冠を達成。シーズンMVPを獲得するなど、韓国や球界の顔で近い将来メジャー入りも期待されるスター選手である。