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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「クボはW杯で不運だったが…」ソシエダ番記者が斬る久保建英“成長への布石”とは「次は日本代表の絶対的存在となるはず」
text by
ロベルト・ラマホ/ディアリオ・アスRoberto Ramajo
photograph byKiichi Matsumoto/JMPA
posted2023/02/25 17:03
カタールW杯の久保建英は戦術面で苦しいプレーを強いられたが、ソシエダの番記者は貢献度を認めている
エスパニョール戦ではスコアの均衡を破る先制点を決めただけでなく、右サイドからのクロスで3-0にリードを広げるレアンドロ・カブレラのオウンゴールも誘発。それ以外でも終始エスパニョールの守備陣にとって厄介な存在であり続け、多彩なプレーアイデアで予測不可能な攻撃の中心となっていた。
さらにここ数試合は、フィジカル面でも驚くべきコンディションを維持している。攻撃の中心となり、ゴールを生み出した上に、フィジカルパフォーマンスでも他を圧倒する。コルネジャにて、久保は文字通りアル・クボ(スペイン語で「3乗」の意)の貢献を果たしたのである。
普段は選手個人について語ることを嫌がるイマノル・アルグアシル監督も、エスパニョール戦の活躍を目の当たりにした後は久保への賞賛を惜しまなかった。
「彼はハイレベルな選手であり、我々に多くの利益をもたらしてくれる。それもシーズン当初からずっとだ。彼のクオリティーの高さは前からよく知っている。彼が素晴らしい選手たちに囲まれてプレーしていることもね」
久保自身も「もっとうまくなりたいし、もっとやれると」
ラ・レアルではここまで26試合に出場し、自身のシーズンベストを更新する4ゴール7アシストを記録。積み重ねた1799分間のプレー時間も、2月の時点でビジャレアルとヘタフェに所属した一昨季、マジョルカでプレーした昨季を上回っている。
大活躍したエスパニョール戦の後、久保は「あわよくばと思い、レフェリーに聞いてみた」とカブレラのオウンゴールが自身の得点として記録されることを冗談交じりに期待しつつ、反省点を挙げることも忘れなかった。
「もっとうまくなりたいし、もっとやれると常に思っている。全てに満足しているわけじゃない。つまらないボールロストもあったし、終盤は疲れてしまった」
初めてのワールドカップで経験した最高峰の戦いは、久保にさらなる成長の必要性を痛感させた。もはや彼がラ・レアルや日本代表の一選手としてプレーするだけで満足することはない。
注目度の高さではなく、ピッチ上で見せる輝きに溢れたプレーによって、日本代表の絶対的な存在となる。さらには世界が認めるトッププレーヤーとして次のワールドカップを迎えるために、久保はさらなる高みに目を向けている。
(#1につづく)
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