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史上初の“四軍制”、選手数も激増のソフトバンク…なのに近藤健介&オスナら大型補強はなぜ?「メジャー球団に勝つ」世界一へのガチ度
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byJIJI PRESS
posted2023/01/25 11:00
2022年ドラフトで指名されたイヒネ・イツア(手前中央)ら新入団選手 ©JIJI PRESS
それに対して「今回の補強は改めて申し上げますが、育成のための補強でもあるということをぜひ申し上げたい」と真っ向から否定したのはオーナー代行兼球団社長の後藤芳光だった。年初の鏡開きの際に報道陣の取材に次のように応えた。
「ホークスは当初から10連覇を目標にしてきました。今季を起点に、それを達成できるチームにしたい。その観点から『10年の計』だと考えています。今年のルーキーは高卒ならば18歳。10年後に28歳です。その頃、彼らに主力になっていてほしい。また、現在の若手と呼ばれる『準・主力』の選手たちは必死に努力しているところです。彼らは今回の補強で入団した(近藤ら)選手を見ながら、その上を行かないとレギュラーになれないと考えるはずです。厳しいようですが、それを乗り越えないと本当に力があるレギュラーになれないわけで、つまり補強こそが選手の育成であるというのが私達の信念なのです。過去の歴史もそれを証明してくれていると思っております」
たしかに、かつて千賀滉大が背番号128だったルーキー時代を振り返って、こんなことを話していた。
「僕の1年目には和田(毅)さんや杉内(俊哉)さん、攝津(正)さんとか錚々たる顔ぶれが一軍にいた。自分が支配下登録されて一軍で活躍するためには日本代表クラスの力をつけないと、このチームでは無理だと思った。だから僕は最初からそれ以上のレベルを目指して頑張らなきゃと思うことが出来ました」
また、ソフトバンクの近年のドラフト戦略を改めて考察しても、この球団がメジャー流チーム作りを目指していることがうかがえる。