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〈J1キャンプ現地レポ〉FC東京アルベル体制2年目の「ポケット攻略」 達人・仲川輝人と期待の俊英は「新たなカラー」を作れるか
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byF.C.TOKYO
posted2023/01/21 11:02
琉球とのトレーニングマッチでの松木玖生。アルベル体制2年目のFC東京はどんな進化を見せるか
さらに、すでに特別指定選手として昨季プレーした昌平高出身のウインガー、荒井悠汰も2ゴールと気を吐いた。
昨季の松木の例があるだけに、ルーキーたちは開幕スタメン、レギュラー獲得も夢ではないと、本気のアピールを続けている。もしかすると、アルベル監督は今季もあっと驚く抜擢をするかもしれない。
主将・森重「早く“新しいFC東京のカラー”を」
話を移籍組に戻せば、仲川は2度のリーグ優勝経験者。小泉も鳥栖時代には東京と共通するポジショナルなサッカーを経験し、鹿島アントラーズでは常勝軍団の空気をたっぷり吸い込んだ。この日も「鹿島では練習試合でも勝たないと意味がない、という空気があった」と語っている。
こうした2人の加入について「その経験をチームに還元してほしい」と要望するのは、在籍14年目を迎える森重真人だ。しかし、キャプテンはこうも言う。
「彼らに頼るだけじゃなく、自分らがサポートしながら彼らの良さをどうすれば出せるのかを考えていかないといけない。彼らの考えをしっかり吸収して理解し、表現していきたい。いつまで経っても“FC東京カラー”が変わらないのは良くないと思う。新しい血が入るわけだから、早く“新しいFC東京のカラー”を作っていかないといけない」
自分たちが変わらなければならないことを、誰よりも知っているからこその言葉だろう。
川崎は日本代表の谷口彰悟が、横浜は昨季MVPの岩田智輝が海外へと移籍。過去6年のリーグ優勝チームが揃って戦力を落とすなか、東京は日本代表の長友佑都が「東京でタイトルを獲りたい。シャーレを掲げたい」と契約を延長し、昨季の主力選手全員が残留した。そのうえでピンポイント補強を行い、生きのいい高卒、大卒ルーキーも加入するなど、戦力がアップしている。
本命不在――2023年シーズンは、いつにも増して大混戦が予想される。首都のクラブはこのチャンスをしっかり掴み取り、青赤のファン・サポーターが待ち望む結果を引き寄せることができるだろうか。
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